人材育成とリハビリテーション。新たな自分を創造するために|理学療法士 坂元玲介さん

みなさんこんにちは、リハノワのかわむーです!

今回は、愛知県豊田市を拠点に医療介護福祉事業を展開するP-BASEの代表で、理学療法士の坂元玲介さんを取材しました。

本記事では、坂元さんがP-BASEを立ち上げたきかっけやリハビリテーションに対する想い、今後の展望について紹介します。

理学療法士・坂元玲介さん

◆ 坂元 玲介(さかもと・りょうすけ)さん
1984年愛知県豊田市出身。理学療法士免許を取得後、医療法人愛生館に入職。老人保健施設、回復期病棟、外来、訪問看護ステーションでリハビリ業務や管理業務に従事した後、自らが描く人材育成を実現すべく2012年に合同会社P-BEANSを設立し、代表社員に就任。現在は、リハビリに特化したデイサービス、訪問看護ステーション、居宅介護支援、福祉用具販売・貸与、住宅改修などのライフデザイン事業、さらには障害者向けの旅行サービスやカフェ、重層型支援推進事業の受託、福祉事業所向けのBCP作成のソーシャルデザイン事業など多岐にわたり展開している。


かわむー
かわむー

坂元さんが理学療法士の道を目指したきっかけを教えてください。


坂元さん
坂元さん

高校2年生の時にバイク事故に遭ったのがきっかけです。自動車とぶつかった衝撃で踵を骨折した私は、数カ月間リハビリに専念せねばならない状況になりました。その時に担当してもらった理学療法士の方がとても魅力的な方で、「私も将来は理学療法士になりたい!」と憧れを抱きます。

高校卒業後は、岐阜県にある理学療法士養成校に進学しました。決して真面目な学生ではありませんでしたが、当時から人に助けてもらうのは上手な方だったと思います。

21歳で理学療法士の免許を取得し、医療法人愛生館に就職。ここでは、老人保健施設、回復期病棟、外来、在宅など幅広い現場でリハビリ業務に従事しました。また、訪問看護ステーションでは管理者を務めるなど、現場から管理職までさまざまな経験をさせてもらいました。


豊かな人間力の育成

かわむー
かわむー

医療・介護のさまざまな現場を経験されてきた坂元さんですが、病院を辞めて独立しようと思われたきっかけは何だったのでしょうか。


坂元さん
坂元さん

「自分の理想とする人材育成を実践したい」と思ったからです。

前職の病院は、毎年新入職員が15名程度入ってくるような職場だったのですが、そこの教育委員会で活動する中で、次第に「自分の思い描く人材育成が実現できる、学校のような場をつくりたい」と考えるようになりました。

それを踏まえて何をするか考えた時、真っ先に思い浮かんだのがリハビリ特化型のデイサービスでした。

以前から、理学療法士という資格を活かして地域社会に貢献したいと考えていました。病院でできることの限界は感じていたので、病気や障害を持った方やお年寄りが、再び前を向いて歩めるような地域でのサービスを提供したいと考えたのです。

2012年4月に合同会社P-BEANSを設立し、同9月に生活期のリハビリテーションに特化したデイサービス「P-BASE寿店」をオープン。「限りない未来への挑戦と豊かな人間力の育成」をミッションに掲げ、5つのP(ポジティブ、パッション、パートナー、フィジカル、パイオニア)を行動指針におき、これまでさまざまな事業にチャレンジしてきました。


◆ 5つのP

Positive:前向きな思考と行動を
Passion:何事も素直な情熱を
Partner:思いやりを大切に
Physical:心身を鍛え続ける
Pioneer:新しい自分を探し続ける

合同会社P-BEANSホームページ行動指針より


かわむー
かわむー

P-BASEさんの「P」には、ミッションを達成するために必要な5つの要素が詰め込まれていたのですね!とても素敵です。

会社創業後は、デイサービスの店舗展開に加え、訪問看護ステーションや障害者向けの旅行サービス、カフェ事業や行政の委託事業などさまざま事業に取り組まれていますが、この発展にはどのような想いや背景があるのでしょうか。


坂元さん
坂元さん

P-BASEの事業は、すべて利用者さんとスタッフの声から作っています。

例えば、2020年にオープンしたカフェ・MAMEKICHIは、「福祉のイメージを変えたい」「地域の人たちに気軽に来てもらえるような場所を作りたい」というスタッフの声から生まれました。

スタッフの想いや声をキャッチアップするために、私は、全ての職員と定期的に面談をしています。何かに挑戦したいというスタッフの声があれば、それが事業として成り立つかどうか、事業計画を作成しながら一緒に検討します。

現在は、医療・介護・福祉のインフラ事業と、行政や日本財団などと連携したチャレンジインフラ事業の2部門に分かれて展開しています。スタッフの中には、どちらの部門にも関わりながら働いている人もいます。社内副業制度を設け、それを活用してもらいながらスタッフの挑戦を後押ししています。


取材場所でもあった「MAMEKICHI」
ポークたまごおにぎりを提供している。
スタッフたちでDIYをして改装した、あたたかみのある店内。
コーヒーをはじめさまざまなドリンクを提供する。

成長こそが喜びに

かわむー
かわむー

現在、P-BASEグループには約120名のスタッフさんがいらっしゃると伺いました。28歳で起業し、ここまで大きな組織にするのには、想像を絶するような苦労もたくさんあったのではないかと思います。いつも明るく前向きな坂元さんですが、「これは本当に辛かった」というようなご経験はあったのでしょうか。


坂元さん
坂元さん

基本的にいつも前向きですが、会社の代表として、スタッフやその家族の生活を守らないといけないというプレッシャーは常にあります。

あまり考えすぎると良くないのは分かっていますが、ふとした瞬間に恐ろしくなることはありますね。お金がなくなったらどうしようとか、地震などの自然災害がきたらどうなるんだろうかとか。

大丈夫だと言い聞かせるようにしていますが、社員を抱えているその責任の重さは時折ふってきます。

ただ、新しい挑戦はどんどんしていきたいし、スタッフの挑戦は全力でアシストしたい。だからこそ、事業が継続的に成長できるかどうかの見極めには特に注力しています。


かわむー
かわむー

P-BASEのスタッフの方々と話していると、みなさん本当に前向きで、挑戦したいことや将来の夢を持って主体的に活動されているのが印象的でした。坂元さんがのびのびと働ける環境を整備されているのがよく分かります。

経営者として日々会社を運営する中で、大切にしていることや楽しいと感じることなどがあれば教えてください。


坂元さん
坂元さん

経営を考える際に意識しているのは、自創経営です。自創経営とは、社員の一人ひとりが部門経営者となり自ら計画を立て実行し、目標の達成に責任を持ち、業績を上げ続けることをすすめる経営法です。

実は今年から、社内における全ての役職や教育ラダーをなくしました。スタッフが目的実現に向けて自律的に工夫し、意思決定していくことを強化したかったからです。

丁寧なサポートは必要ですが、主体的な組織になることを目指して前に進んでいきたいと思います。

楽しいと思う瞬間は、スタッフが良い意味で苦しんでいる時でしょうか。人は苦悩があって初めて成長すると考えているので、「逃げるなよ」と思いながらその姿を見ている時がとても楽しいです。

また、個人としては0→1が得意なので、やはり新しい事業を作っているときはワクワクしますね。そのワクワク感が、すべての原動力にもなっていると思います。


5つのPとリハビリテーション

かわむー
かわむー

坂元さんのお話を伺いながら、改めて、P-BASEは人材育成の会社であるというのがよく分かりました。常にどういった組織運営が良いのか考え続け、PDCAをまわしているのですね。

坂元さんが、事業を通してリハビリテーションを実践する際に大切にしていることを教えてください。


坂元さん
坂元さん

利用者さんと目標を設定する際に、どこの状態を目指すのか、お互いのギャップを丁寧に埋め合わせることが大切だと考えます。

例えば、「元のように動けるようになりたい」とおっしゃられる方がいたとしたら、元とはいつのことなのかを丁寧に話します。リハビリの目標を「病気をする〇〇前の状態に戻す」と設定するのか、それとも、「病気や障害を持った自分と向き合った上で、新たな目標を設定する」のかしっかりと考えます。

私は、後者の方がより良いのではないかと思っています。リハビリテーションとは、新たに自分を創ることだと考えているからです。

いわゆる元に戻すリハビリテーションは、戻ったらその先が見出しにくいので、新しい自分に出会えるようなリハビリテーションを行うことが重要だと考えます。その方が、次に繋がり続けるのではないかと思うのです。

利用者さんのリハビリテーションもスタッフの人材育成と似ていて、結局のところは5つのPに立ち返ります。

・ポジティブ(前向きな思考と行動を)
・パッション(何事も素直な情熱を)
・パートナー(思いやりを大切に)
・フィジカル(心身を鍛え続ける)
・パイオニア(新しい自分を探し続ける)

この5つのマインドを大切にしながら、利用者さんのリハビリテーションに向き合っています。


かわむー
かわむー

自分自身の「今」を受け止め、新たな目標を設定することで、これまでにない自分に出会うことができる。それこそがリハビリテーションだという考え方にとても共感を覚えました。

年齢や障害に関係なく、ありたい姿を描き、そこを目指して歩み続けるサポートをするのが、セラピストの重要な役割となるのですね。



社会を変える挑戦

かわむー
かわむー

最後に、坂元さんが今後挑戦したいことがあれば教えてください。


坂元さん
坂元さん

私は、リハビリテーションという手段を使って社会を変えようと行動するセラピストをもっと増やしたいと思っています。

起業家マインドを身に着け、「社会を変える力」や「社会を巻き込む力」を育みながら、どんどんと新たな挑戦をしてもらいたいです。それがあってこそ、私たちセラピストの価値も上がっていくのではないかと考えます。

就職すると、ほとんどのセラピストは保険制度の中で活動することになるかと思いますが、それはある意味、社会から守られた環境であるともいえます。起業が必ずしも良いとはいえませんが、起業家のマインドは是非持っていてほしいと思います。セラピストが社会でもっと活躍することで、子どもたちの憧れの職業になると嬉しいです。

業界の枠を飛び越え、さまざまな方と手と手を取り合いながら動くことができると、とても面白い世界がまっています。

私はこれからも、社会を巻き込みながら、社会課題の解決に向けて挑戦し続けます。


かわむー
かわむー

「社会をより良くしよう」と行動し続ける坂元さんの言葉を聞いて、とても胸が熱くなりました。

一歩を踏み出すには勇気がいるかもしれません。しかし、医療従事者は資格があるからこそ、挑戦のハードルも低いのではないかと思いました。専門職という強みを活かしながら、社会課題の解決に取り組むセラピストが一人でも増えると良いなと感じました。

坂元さんの描いている世界観、行動力、そして実際に結果を出し続けている実行力。全てにおいて心から尊敬いたします。

これからも坂元さんの動向から目が離せません。これまでの事業はもちろん、新たな挑戦も全力で応援しております。

本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。



かわむー
かわむー

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撮影:ひろし


以上、今回は愛知県豊田市にあるP-BASEの代表を務める理学療法士の坂元玲介さんを紹介させていただきました。

一人でも多くの方に、坂元さんの素敵な想いと魅力がお届けできれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後ともリハノワをよろしくお願いいたします!


かわむーでした。

この取材は、御本人から同意を得て行なっています。本投稿に使用されている写真の転載は固くお断りいたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

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