みなさんこんにちは、リハノワのかわむーです!
今回は、2022年10月にオープンしたmediVRリハビリセンター東京に伺い、実際に「mediVRカグラ」を体験させていただいたきました。
本記事では、体験レポートも含めたmediVRカグラについてご紹介します。
mediVRカグラとは
mediVRカグラは、歩行に必要な運動機能と姿勢バランス、認知機能を総合的に評価するための医療機器です。
仮想空間上の狙った位置に手を伸ばすリーチング動作を繰り返すことで、姿勢バランスや二重課題型の認知処理機能を鍛えることができます。
神経科学や行動科学の知見を応用して、脳の記憶の書き換えをゲームにしか見えない形で行えるように開発されています。
ゲームは、「水平ゲーム」「落下ゲーム」「水戸黄門ゲーム」「野菜ゲーム」「果物ゲーム」の5種類が用意されています。
※詳しくは、本文後半でも記載しています。
体験レポート
実際にmediVRカグラのプログラムを体験させていただいたので、その感想をお伝えします!
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今回、生まれて初めてVRゴーグルを装着しました。右も左もわからない状況でしたが、着用方法についてセラピストの方が丁寧にサポートしてくださるので安心。
まずは「忍者マスク」と呼ばれる目専用のマスクシートを着用しました。ゴーグルはその上から着用します。なんと、メガネのままでも問題なくつけることが出来ました。(これには驚き… !)
mediVRカグラを使用したリハビリプログラムを実施し、視覚が遮断されるためリハビリに集中できることがVRリハビリの大きなメリットだと感じました。
例えば、通常のセラピストによる1対1のリハビリだと、外部環境に左右され集中することが出来ない、という場面がしばしば見受けられます。そういった問題が、カグラを使用したVRリハビリでは解決できそうです。
これは、ARでもなくVRの持つ大きな特徴だと感じました。
また、隣でサポートしてくれるセラピストの存在は欠かせないと感じました。
セラピストは、運動方向や姿勢についてのフィードバックや誘導をサポート、さらには成功すると全力で褒めてくれます(嬉)。
自分の状態は意外と分からないものです。私自身、座位姿勢や動き方のクセがあるようで、それはアドバイスをいただいて初めて気が付きました。
終始、ゲーム感覚で楽しく取り組めるので、子どもにも相性が良さそうです。VR空間に酔うことなどはありませんでした。
mediVRのゲームは5種類と一見少なく感じるかもしれませんが、落ちる速さや場所、方法など難易度の細かい調整ができるためかなり幅広く、飽きずに継続できそうです。
セラピストは、画面を見ながら誘導するのにかなりスキルが必要だと感じました。難易度や目標設定がミソになりそうです。
双方向のモチベーションの高さが相まって大きな効果が発揮されるmediVRカグラによるリハビリ。「リハビリ界のライザップ」に挑戦したい方にはとてもマッチするだろうという印象を受けました。
エビデンス
mediVRカグラを活用したリハビリについて、医師や研究者から多数の論文や症例報告が発表されています。また、現在進行中の臨床研究もあるそうです。
詳しくはこちらのページを御覧ください。
「質の高いリハビリ」「良くなるリハビリ」が広まっていくことを期待しています…!
費用
■ 購入型
初年度:450万円(機器 330万円+メンテナンス料120万)
次年度以降:メンテナンス料120万円/年
■ リース型
5年契約:月額15万円
3年契約:月額19万円
※ 導入実績
・リハビリテーション病院:49.0%
・大学病院:12.2%
・国立病院機構:4.1%
・デイサービス:20.4%
・入所施設:6.1%
・自費リハ施設:8.2%
レンタルや購入の場合、パソコン、mediVRカグラ、Wifi、iPhone、三脚の一式がセットになって届くそうです。
また、大阪と東京にはmediVRカグラでのリハビリプログラムが受けられるリハビリテーションセンターがあります。
(mediVRリハビリセンター東京の紹介記事はこちらから)
対象と特徴
応用可能疾患
脳梗塞の後遺症、上肢機能障害、歩行機能障害、運動失調症状、認知機能障害、慢性疼痛など、さまざまな症例に対応しています。
特に、股関節疾患の術後、膝関節疾患(膝OAなど)、脊髄損傷、脳梗塞/脳出血、失調/片麻痺/半側空間無視、パーキンソン病、認知症、CPSP、CRPS、慢性疼痛、うつ病、抗がん剤関連の副作用、廃用症候群/サルコペニア、脳性まひでは応用が進んでいます。
運動障害を脳と身体の情報処置過程の異常と捉え、多様な疾患に対応可能であろうと現在研究が進められています。
5つの特徴
1)座位によるリハビリ
カグラを使用したリハビリプログラムは、椅子に座ったまま行います。左右交互に腕を伸ばすことで、すべての動作の基本となる姿勢バランスや重心移動のコツを掴みます。転倒などのリスクが低く、立位姿勢の保持や歩行が難しい方も安全に取り組むことができます。
2)二重課題トレーニング
日常生活を送る上では「二重課題(デュアルタスク)」をこなす能力が欠かせません。カグラでは、仮想現実空間内に表示される対象の位置や動く速度を捉え、やさしく触れるように手を伸ばすことで認知課題と運動課題をこなす能力が同時に鍛えられます。
3)自発性を引き出す設計
カグラは行動科学の知見をもとに開発しているため、認知機能が落ちた患者さんでもリハビリテーション動作を自発的に引き出すことができます。
4)定量指示・定量評価
仮想現実空間上では、手を伸ばす距離や方向を定量的に指示し、達成度合いを定量的に評価することができます。一人ひとりに適した負荷レベルの課題を与えることができます。
5)多感覚フィードバック
視覚、聴覚、触覚といった多方面からのフィードバックによって脳の報酬系を刺激し、リハビリへのモチベーションを高めます。
会社概要
■ 株式会社mediVR
■ 代表取締役社長
原 正彦(はら・まさひこ)氏
■ 設立
2016年(大阪大学発ベンチャーとして創業)
■ 所在地
<本社:大阪オフィス>
〒561-0872
大阪府豊中市寺内2丁目4番1号 緑地駅ビル3階 株式会社mediVR 本部オフィス
Tel:06-6151-4008
Fax:06-7635-7081
<東京オフィス>
〒103-0004
東京都中央区東日本橋2-1-5 東日本橋セントラルプレイス2階
営業時間:月~金 AM 10:00~PM 17:00
■ 関連施設
・mediVRリハビリテーションセンター東京
・mediVRリハビリテーションセンター大阪
■ HPおよび各種SNS
・会社HP
・note
・YouTube
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・セラピストのご紹介
ぜひ合わせてご覧ください。
写真提供:ひろし(カメラマン/理学療法士)
以上、本記事では株式会社mediVRが開発した測定機能付自力運動訓練装置「mediVRカグラ」を紹介させていただきました。
一人でも多くの方に、mediVRカグラという新しいリハビリが選択肢の一つとしてお届けできると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともリハノワをよろしくお願いいたします!
かわむーでした。
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