みなさんこんにちは、リハノワ.comのかわむーです!
現在リハノワ.comは、種子島の旧饅頭屋をバリアフリーリノベーションし宿屋を作るという『カモメプロジェクト』に関わらせていただいています。
本日は、カモメのpvを作成していただく映像クリエイターの中川典彌さんに、「境界なき宿屋カモメ」にかける思いや映像制作の裏側、未来のお客様への一言メッセージなど、色々と聞いていきたいと思います!
・シリーズ連載カモメ
#1 一級建築士・内野康平
#2 大工・中村悟/めぐみ
#3 種子島の職人達
#4 車椅子YouTuber・中村珍晴
・YouTube /『suisui – Project』
~カモメが完成するまでの過程を発信中~
・カモメ公式HP・Instagramはこちら。
・カモメプロジェクトのクラウドファンディングページはこちらから。
(8/30無事達成し終えることが出来ました。皆様、本当にありがとうございました!)
映像クリエイター 中川典彌さん
株式会社 映gent Ro.man 代表で、熊本のバリアフリープロジェクト「くまバリ」のプロデューサーでもある映像クリエイターの中川典彌さん。メンバーからは「FUMIYAくん」の愛称で親しまれており、映像や音楽を巧みに操りその場を盛り上げてくれる、とっても素敵な男性です。
FUMIYAさんは、医療IT企業で7年間システムエンジニア・プログラマーとして働かれたのち、2018年に独立。熊本を拠点に活動を開始し、2019年より映像分野に参入。2020年12月には、熊本の有形文化財の建物の中に映画館をオープン予定。
独自の観点と元プログラマー仕込みの技術を活かし、動画制作やプロデュース、Webやグラフィックデザインからドローン空撮まで、あらゆる分野で活躍されている今話題のクリエイターさんです。
カモメプロジェクトでは、プロモーションビデオ(pv) の制作を担ってくださっています。
くまバリ とは
“熊本を日本一のバリアフリー大国に” すべく立ち上がった熊本発のバリアフリープロジェクト。
頸髄損傷のため車いすユーザーとなった「SHOKOさん」とクリエイティブ会社の代表である「FUMIYAさん」がタッグを組み、“全員で作り上げる全員が生きやすい社会” を目指し活動中!
サイト内に「くまバリTV」や「くまバリロケ」「くまバリショップ」「くまバリMAP」などを開設し、あらゆる角度からバリアフリーを発信されています。
・公式Webサイト
・YouTube しょうこちゃんねる
・YouTube くまバリ&どこ談
ぜひ合わせてご覧ください。。!
きっかけはあの人から
FUMIYAさんは、普段は熊本を拠点に活動されているとのことですが、今回カモメに関わられることとなった “きっかけ” を教えてください。
車椅子YouTuberのちんさんから声をかけてもらったことがきっかけです。
もともと、ちんさんとくまバリのSHOKOちゃんの交流があり、それで、くまバリの活動を通して僕のことも知ってもらっていたみたいです。
ちんさんは、自身の活動や発信を通して「生き方」を見せてくれる素晴らしい方で、とても尊敬しています。障がいの有無とか関係なく、色んな方々の背中を押してくださっていますよね。
ちんさんから勇気や希望をもらう方は本当にたくさんいますよね。
そんなちんさんから、今回「境界なき宿屋 カモメ」の話を聞いた時、どんな印象を持たれましたか?
とても感銘を受けました。
というのも、バリアフリーの宿が少ないことはくまバリの活動を通してとても課題に感じていました。さらには空き家を再生するということ、そして建築自体が島の魅力を存分に伝えられるものとなっており、地域課題の解決や活性化に繋がっていることが本当に素晴らしいなと感じました。
10年後に「高齢者シェアハウス」になるというのも、これからの日本にとってとても将来性のある面白いチャレンジだと思います。
全国的に見ても、ここまで多くの人が協力し、発信しながら作り上げているバリアフリーのプロジェクトはなかなか存在しません。
なので、今回お話をいただいた時は即効でお返事をさせていただきました。僕もメンバーとしてこのプロジェクトに関わることができて本当に光栄です。
カモメの現場の様子はちんさんのYouTube動画を通して知ってもらっていたとのことですが、実際にオープンの時にカモメに行かれて、どう思いましたか?
最初のイメージは、動画の影響もあり順風満帆で進んできた現場なのだと思っていました。
しかし、実際に現場に行ってみて、そこで作り上げられたものや仕事を一つ一つ見させてもらい、それぞれ皆さんの “葛藤” みたいなものを感じました。
皆が必死に考え、時にはぶつかり合いながらもようやく形となり生まれた空間であること。
悩み抜いた先にある建築は、とても人間らしくて、優しさが滲み出ていました。
僕が映像を作り続ける理由
FUMIYAさんの創る映像は人のオモイを形にする、見ていて虜になるようなものばかりですが、動画制作を始めた “きっかけ” はなんだったのですか?
初めて動画をつくったのは二十歳の頃です。友人の結婚式で作ったのがきっかけで、以後、誕生日パーティーや結婚式でムービーをつくっていきました。
しかし、今から6年前。
大好きな祖父の米寿のお祝いで作った動画が、自分の人生を変えました。
“一生残るものがいいよね” ということで孫達からのサプライズとして作ったその思い出ムービーは、僕が編集を担いました。
「祖父の88年の生い立ち」と「孫たちからのメッセージ」の二部構成にし、生い立ちでは祖父が “爺ちゃん” になった瞬間をはじめ様々な瞬間を振り返りました。孫たちのメッセージでは、ビデオレターとしてそれぞれが夢や思い出を語りました。
とても素敵なことをされていますね。
FUMIYAさんは、その時お祖父さまへどんなメッセージを送られたのですか?
僕はその当時、医療IT企業で全国を飛び周り、責任者も任されるようになり体力的にも精神的にも結構しんどい時期でした。
ですが、メッセージでは “将来の夢” や “爺ちゃんに負けないようにこんな人生を送りたい” “ばあちゃんみたいに素敵な人を見つけるね” など、前向きで素直なオモイを話していました。
動画を見られて、お祖父さまはもちろんのこと、親族みんなが大喜びされたのではないですか?
はい。そこの空間にいた人全員が号泣していました。
その時に、心が震えたんですよね。 ぞくっとしました。「何!?これ」みたいな。
言って終えば、みんなで一緒に見たただの映像。
だけど、あの瞬間が、あの空間のことが、その後もずっと頭から離れませんでした。
FUMIYAさんの “人生を変える瞬間” になったのですね。
映像が持つパワーはすごいですね。
実はこの3年後、当時の仕事に限界がきてもう辞めようと思い悩んでいた矢先に、大好きな祖父が亡くなりました。その時は一気にいろんなことが重なりすぎて、すごく落ち込みましたね。
祖父が亡くなった日、僕は3年前の映像を改めて見返しました。
そして、あの時とはまた違う感情で、再び心が震えたんです。
映像の中の自分は、祖父に対して将来の夢を生き生きと語っていました。3年前 祖父にプレゼントしたはずの映像が、時をこえ、自分が明日を生きる道標と活力になって返ってきました。
この時に、“映像に残す素晴らしさ” と皆んなで “同じ空間で回想することの素晴らしさ” に気づかされました。
“人生で二度と訪れることのない今この一瞬を大切にしたい”
この時、僕は “映像” を主体とし独立して頑張っていくことを決意しました。
FUMIYAさんの作られる『思い出ムービー(OMOIDE MOVIE)』は、新たな思い出の残し方としてこれからさらに話題となっていくことでしょうね。時にはみんなで同じ思いを共有するために、時には娯楽として楽しい時間を過ごすために、そして時には自分自身の活力となるために。
「人の喜びがそのまま自分の喜びに変わる」という本当に素敵な原動力を持つFUMIYAさん。
そんなFUMIYAさんがだからこそ作ることのできる、一人一人のオモイに寄り添った映像。それは、心が震えるほどに感動する “瞬間” や “空間” をつくることを目的とされているから、きっと、温かいんでしょうね。
FUMIYAさんのお話を聞きながら、“思い出” の持つ可能性をとても感じました。
カモメのpvがこんな素敵な方に作ってもらえて、とても嬉しいです。
人の幸せが僕の幸せ
映像を作っていて、“大変だな” “難しいな” と感じることはありますか?
制作会社だと、動画の工程ごとに、例えば企画・構成・制作など担当が分かれていますが、僕の場合は全て自分で行うので、それが良いところでもあり大変なところであるかもしれません。
制作時間はものにもよりますが、『OMOIDE MOVIE』なんかは数時間、PVでCGとかを使うものは1〜2週間くらいですかね。集中して一気につくっちゃいます。
あとは映像をつくる場合、その対象を理解することが、一番難しいかもしれません。
人、地域、背景にあるストーリーなど、いい作品をつくるには様々なことを知る必要があります。
様々なことを知るために、FUMIYAさんが普段から意識してることは何かありますか?
相手から様々なことを引き出すために、まずは最初に自分が赤裸々に語って、相手が話しやすくなるような雰囲気作りをすることを意識しています。お互いのバリアをなくして、それから、相手の言葉を引き出していくことが大事かなと思っています。
そしてその引き出した言葉から、相手の人たちのオモイを感じ、自分なりに想像しながら、その土地の歴史・文化などと一緒に様々なピースをはめていきます。
映像制作をする中で、“楽しい” とか “嬉しい” と感じる瞬間はいつですか?
シンプルに、一緒にいる人が幸せになっている瞬間が一番嬉しいです。
みんなが幸せと感じている空間にいれることって、めちゃくちゃ幸せですよね。
僕は、映像制作において「音楽」をものすごく大切にしています。
自分が思い描いてる世界観は、まずは音楽の中にあるんです。なので、編集する時はまずは音楽を一番最初に考えます。
映像と音楽がマッチし自分が思い描いていた以上のものができた時、その瞬間は本当に涙が出ます。涙が出るというと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、僕は “涙が出るまで作らないと、人に感動与えることはできない” と思っているので、自分が涙するまで作り込んでいます。
オモイを込めて彩りを
FUMIYAさんが、「境界なき宿屋カモメ」にかける想いを聞かせてください。
僕は熊本で「くまバリ」を運営しているので、カモメは身近な存在だなとずっと思っていました。そして今後は、カモメが作り上げてくれた土台を、さらに盛り上げていきたいとも思っています。
自分の能力を「バリアフリーを求める全ての方々」のために活かすことができれば幸いです。
「当たり前とは何か」を伝え、伝染し、浸透するために、あらゆるテクノロジーを駆使しながら、オモイをこめてサポートしていきます。
自分の人生を変えてくれたカモメに、僕の作った映像が少しでも彩りを加えられたら、これほど嬉しいことはありません。
未来のお客さまへ
最後に、これからpvを見てくださる方、そして未来のお客様へ向けて、一言・メッセージをお願いします!
僕はpvを通して、カモメと種子島の魅力をストレートにありのまま伝えたいと思っています。
もともと異国との架け橋になった種子島の、島ならではの景色 。新鮮な魚や料理。カモメの建築のこだわり。温かい空間の中に実は隠れているバリアフリー。メンバーひとりひとりの オモイや、島の人の雰囲気や優しさ。それら全てをストレートに表現し、伝えたいと思っています。
カモメを、そして種子島をさらに好きになってもらえるように、美しく表現したいと思います。障がいのある人もない人も、高齢者も若者も、全ての人に選択肢が届けられるようにオモイをこめて制作します。
pvを見た方が、その一瞬を幸せな気持ちで過ごすことができると幸いです。
最後は、FUMIYAさんから素敵なメッセージをいただきました。
“当たり前とは何か” を模索し、そして “全ての人に選択肢が届けられるように作り込まれた映像” 。カモメに泊まりに来られた方が “人生で二度と訪れることのない今この一瞬” を、笑顔で楽しく過ごしてもらえるといいですね。
FUMIYAさん、本日は本当にありがとうございました!
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以上、本日はカモメのpvを制作していただく映像クリエイターの中川典彌さんを紹介させていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともリハノワ.comをよろしくお願いいたします!
かわむーでした。
※この取材は、本人の同意を得て行なっています。また、本投稿に使用されている写真はFUMIYAさんからお借りして許可を得て掲載しております。本投稿に使用されている写真の転載は固くお断りいたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
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