みなさんこんにちは、リハノワのかわむーです!
今回は、茨城県つくば市にある「つくば公園前ファミリークリニック」で作業療法士として働く、鳴海勝太さんを取材しました。
鳴海さんのこれまでの歩みや、ファミリハつくばでのさまざまな取り組み、その裏側にある熱い想いを紹介します。
作業療法士・鳴海勝太さん
◆鳴海勝太(なるみ・しょうた)さん
1989年生まれ、茨城県古河市出身。作業療法士免許を取得後、総合病院に就職。その後、医療・介護・福祉・教育などさまざまな現場で作業療法士として従事し、整形外科クリニックの立ち上げも経験。2022年よりつくば公園前ファミリークリニックの作業療法士として、小児のリハビリテーションや地域活動に力を入れる。
現在は小児領域の作業療法士としてご活躍されている鳴海さんですが、もともと作業療法士になろうと思ったきかっけは何だったのでしょうか。
薬剤師の道も考えていたのですが、ちょうど4年制から6年制に変わる間の年ということもあり、他の選択肢を探していたところ、作業療法士という仕事があることを知りました。
作業療法士の仕事に興味を持ったものの、実際に働いているところは見たことがなかったため、自ら病院に電話をし、見学させてもらったこともありました。そこで初めて作業療法を見た時、「おもしろい仕事だ」と感じたのを覚えています。
養成校進学後は、国際生活機能分類(ICF)や小児のリハビリテーションを専門とする先生のもとを訪ねました。その先生は、がん患者さんを対象としたチャリティイベントや、自閉症の子どもたちと一緒に山登りをするツアー、脳卒中当事者会など、さまざまなコミュニティで作業療法の視点をもって活動されていました。
私も一緒に活動したり、病院などの医療現場を見学させてもらったりする中で、次第に「作業療法には多彩な可能性がある」と感じるようになりました。
免許取得後は総合病院に就職し、まずはそこで4年間、作業療法業務に従事しました。
小児リハの世界へ
高校生や学生時代からかなり行動的だったのですね。 小児のリハビリテーションに関わるようになったのはいつ頃だったのですか?
1年目の頃から関わらせてもらっていたと思います。学生時代から恩師とともに自閉症の子どもたちと山登りに行くなど、当事者の方と関わる機会が多くあったので抜擢されたのかもしれません。
しかし、小児のリハビリでは発達のことも考えなけらばいけませんし、子どもだけではなく親御さんとも良好な関係性を築く必要があります。大人のリハビリとはまた違った考え方やアプローチが必要なので、慣れるまではけっこう大変だと感じていました。
総合病院で4年間勤務した後は、母校の専門学校に就職。小児領域の授業を担当しました。
専門学校で勤務した後は、地域包括支援センター、老人保健施設、サービス付き高齢者住宅、児童発達支援、放課後等デイサービス、学校など、フリーランスの作業療法士としてさまざまな現場で活動しました。
また、整形外科クリニックの立ち上げのお話もいただいたのでそこをサポートしたり、自身で小児の発達に関する相談事業を立ち上げ、活動したりしました。
より良い社会を作りたい
子どもから高齢者まで、医療・介護・福祉・教育と、さまざまな現場で多様な働き方をされており素晴らしいですね。現在、勤務している「つくば公園前ファミリークリニック(ファミリハつくば)」で働くことになったきかっけは何だったのでしょうか。
まだファミリハつくばが構想段階だった時期に、SNSで院長の中川先生が発信されているのを目にしました。つくば市を拠点に、遊びをテーマとした小児のクリニックを作りたいという構想にワクワクしました。
当時、私が考えていた子どもにまつわるさまざまな課題やその解決策について、アイデアベースではありましたが、中川先生にプレゼンテーションをさせてもらいました。そこから意気投合し、立ち上げから関わらせてもらうことになったのです。
私自身、子どもが生まれて以来、「子どもたちにとってより良い社会を作りたい」という思いがとても強くなりました。
課題感や、世の中がこんな状態だったら良いのにといった世界観を共有し、すり合わせることはとても重要ですよね。当時のお話を伺いながら、素敵なお二人が出会われたことにとても嬉しくなりました。
2022年にオープンしたファミリハつくばさんですが、現在、鳴海さんが力をいれて取り組んでいることを教えて下さい。
現在、ファミリハつくばでは、通ってくれる子どもたちに対して遊びを通じたリハビリテーションを提供しています。また、地域の子どもやその家族、子どもを支える方々をサポートすべく、子ども食堂「キッチンこん」や、行政主催の研修会での講演、児童発達支援への相談派遣、保育士さんの支援などを行っています。
そのような活動や取り組みがある中で、私は、地域のさまざまな人や事業者、学校、社会福祉協議会、市役所などとコミュニケーションをする役割を担っています。
地域で活動をしていると、子どもを取り巻く環境や貧困の問題など、取り組んでいきたいことは次から次へと出てきます。
地域のさまざまな方とのつながりがあることを強みに、同じ思いをもつ人同士の架け橋となり、地域の問題を解決していきたいと考えています。
心地の良い温度感で
子どもたちと関わるなかで、鳴海さんが大切にしていることは何でしょうか。
リハビリテーションを実施するなかでは、その課題の量や質、心理的な負荷、家族との関係性、距離感、未来を見据えたときの今の目標設定など、それぞれに「ほどよい」と思える温度感を大切にしています。
多少のストレスは成長にとって必要ではありますが、やりすぎないし言いすぎない、「ほどよさ」をいつも心掛けています。
最後に、リハビリに励んでいるお子さんやご家族に向けてメッセージがあればお願いします。
医療機関にかかると悪いところを指摘されるのではないかと、不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私たちは決して悪いところを見つけにいくわけではありません。
「遊び」を大切にしたアプローチのなかで、発達や成長をサポートしていくことを軸に活動しています。
ぜひ、悩んでいることや気になっていることがあれば、お気軽にご相談いただければと思います。
実際にファミリハつくばさんに伺って、心が自然と動くというのを体感しました。
なんだか優しくなれる居心地の良い空間や、どんな方でも自由に過ごせるデザイン。リハビリ室では思わず動きたくなるワクワク感に心が踊りました。お子さんや親御さんも、安心して通える場だと感じました。
「こんな施設、あったらいいな」を実現しようと走り続けているファミリハつくばさんを、リハノワはこれからも応援しています。
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
撮影:ひろし
以上、つくば公園前ファミリークリニックで働く、作業療法士の鳴海勝太さんを紹介させていただきました。
ひとりでも多くの方に、鳴海さんの素敵な想いと魅力がお届けできれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともリハノワをよろしくお願いいたします!
かわむーでした。
この取材は、本人から同意を得て行なっています。本投稿に使用されている写真の転載は固くお断りいたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
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