みなさんこんにちは、リハノワのかわむーです!
今回は、愛知県豊明市にある「藤田医科大学病院リハビリテーション科」さんを取材しました。
本記事では、藤田医科大学病院でのリハビリテーションの実際や施設の特徴について紹介します。
藤田医科大学病院
愛知県豊明市にある藤田医科大学病院は、40の診療科と国内最多の1,376の病床数を有する特定機能病院です。「最先端」と「やさしさ」をテーマに高度医療を提供し、地域社会や医学の進歩に貢献しています。
藤田医科大学病院は、医療の質の向上と患者安全を国際基準で評価する第三者機関「Joint Commission International(JCI)」のアカデミック・メディカルセンター(大学病院)プログラムに認定されており、安全で質の高い、世界水準の先進的医療が提供されていることで注目を集めています。
さらに、藤田医科大学病院は自然災害や大地震など有事に備えた基幹災害拠点病院として、ドクターヘリの導入やインフラ整備を通じて医療救護活動の中心的役割も果たしています。
リハビリテーションの実際
リハビリテーション科には、医師28人、看護師・看護補助員8人、療法士216人が所属し、全入院患者さんの約40%にリハビリテーションを提供しています。また、すべての療法士が研究チームに所属し、臨床研究に取り組んでいます。
急性期リハビリテーション
急性期リハビリテーションに携わる療法士は全部で148人います。その内訳は、理学療法士が84人、作業療法士が48人、言語聴覚士が16人です。
理学療法士は、整形&小児、脳血管障害、内部障害の3つの領域に分かれ、全体で8つのチームに編成されています。作業療法士は6つのチームに、言語聴覚士は3つのチームにそれぞれ分かれ、全領域のリハビリテーションを実施しています。
診療は、一般病棟は月曜日から土曜日まで(日曜と祝日は休み)、ICUやHCUなどのユニットは365日体制で行っています。入院後の早期からベッドサイドでリハビリテーションを開始し、病状が安定した後はリハビリテーションセンターで実施します。
リハビリテーションセンターは総面積1900平米で、国内最大級の施設です。センター内には、歩行練習ロボットやバランス練習ロボット、対麻痺者自立歩行ロボット、トレッドミルなどが整備された理学療法室があります。また、上肢練習ロボットや調整機能のあるADL室を完備した作業療法室や、失語症から摂食嚥下障害まで多様な病態に対応する全6室の言語聴覚療法室があるなど、先進的なリハビリテーションが展開されています。
回復期リビリテーション
2018年1月、藤田医科大学病院内に新たに60床の病棟が開設されました。この病棟では、急性期を経過した脳卒中や骨折後の患者さんを対象に、寝たきり防止や在宅復帰を目指して365日体制でリハビリテーションが行われています。
この病棟で回復期リハビリテーションに携わる療法士は全部で57人おり、その内訳は理学療法士が24人、作業療法士が20人、言語聴覚士が13人です。療法士はAチームとBチームの2つに分かれ、それぞれが30床を担当します。さらに、各チームは3つのグループに分かれ、リハビリテーションを提供しています。
病棟内には訓練室があるほか、病棟全体がリハビリスペースとして利用できるよう整備されています。患者さんは、1日最大3時間の療法士によるマンツーマンリハビリテーションを受けることができ、また、1日1時間のサーキットトレーニングや、看護師や介護福祉士との病棟訓練、病棟内デイケアなどのプログラムにも参加できます。
藤田リハの特徴
取材をする中で感じた、藤田医科大学病院リハビリテーション科の魅力的なポイントを紹介します。
先端機器やロボットの導入
リハビリテーションセンター内には、活動を評価するためのさまざまな先端機器や、リハビリテーションのためのロボットが数多く設置され、最新の治療や臨床研究が進められていました。一部を写真付きで紹介します。
◆ ウェルウォーク WW-1000
◆ バランス練習支援ロボットシステム(BEAR)
◆ ニューアシスト
◆ 義肢装具
◆ 内側系対麻痺歩行ロボット(WPAL)
◆ 三次元動作解析装置(KinemaTracer)
摂食・嚥下のケア
言語聴覚士を中心に、さまざまな病気が原因で口から食べることが難しくなってしまう「摂食・嚥下障害」のケアに力を入れています。
言語聴覚士、認定看護師、管理栄養士、歯科衛生士、歯科医師、リハビリテーション科医師がチームを組み、誤嚥を防ぎながらできるだけ安全に食べられるよう、入院早期から主治医や病棟看護師と連携して、嚥下機能の評価と誤嚥防止の対策を実施しています。
摂食・嚥下の検査では、嚥下造影(VF)や嚥下内視鏡(VE)に加えて、「嚥下CT」を使い評価を行っています。嚥下CTによる3次元的評価により、これまで難しかった声帯の動きや食道入口部の開き具合など、嚥下中に生じるさまざまな現象を同時に観察できるようになりました。
患者さんが「口から食べる」ことに真摯に向き合い、全力でサポートしています。
ICU〜急性期〜回復期の連携
藤田医科大学病院では、患者さんのリハビリテーションを効果的に行うため、チーム間の緊密な連携を大切にしています。カルテでデータが一元化されているため、すべてのスタッフがリアルタイムで患者さんの情報にアクセスできます。
患者さんが病棟を移動し、担当チームが変わる際には、申し送り用紙に必要な情報を記入し、次の担当者に引き継ぎます。申し送り用紙には、リハビリテーションに必要な情報が網羅されており、的確な引き継ぎが行われます。
このような連携体制により、患者さんはどの病棟にいても、途切れることなくリハビリテーションを受けることができます。
今回初めて藤田医科大学病院さんにお邪魔しましたが、リハビリテーションの充実した体制と最先端の技術に驚かされました。全てのセラピストが臨床に加え、何らかの研究にも取り組んでいることも素晴らしいです。セラピスト一人ひとりの質の高さや情熱に、本当に感動いたしました。
国内最大級のリハビリテーションセンターを有する大学病院、そして、2000年にその制度が整備された当初から回復期リハビリテーションを牽引してきたその歴史と文化にふれることができ、とても貴重な時間を過ごさせていただきました。
これからも藤田医科大学病院リハビリテーション科さんから目が話せません。今後のさらなるご活躍を心から楽しみにしております。
取材に丁寧に対応してくださったスタッフの皆さま、本日はありがとうございました。
施設概要
■ 病院名
藤田医科大学病院
病院長 白木良一さん
■ 設立
昭和48年5月29日
■ 診療科
内科、精神科、脳神経内科、循環器内科、小児科、外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、血管外科、皮膚科、泌尿器科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、矯正歯科、小児歯科、麻酔科、病理診断科、救急科
■ 病床数:
1,376床(一般:1,325床 精神:51床)
※回復期リハビリテーション病棟 60床
■ 所在地
〒470-1192
愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1番地98
■ 問い合わせ
TEL:0562-93-2111(代表)
■ 関連情報
・HP(藤田医科大学病院リハビリテーション科)
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撮影:ひろし
以上、本日は愛知県豊明市にある「藤田医科大学病院リハビリテーション科」さんを紹介しました。
ひとりでも多くの方に藤田医科大学病院リハビリテーション科さんの素敵な想いと魅力がお届けできれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともリハノワをよろしくお願いいたします!
かわむーでした。
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