みなさんこんにちは、リハノワのかわむーです!
本記事では、2021年8月22日(日)にオンライン開催した『リハの輪アイデアピッチ2021@広島』の様子をご報告いたします。
登壇者8名の課題感から生まれたアイデアや2ヶ月を通して変化したこと、また、ピッチに関わる方々の熱い想いをお伝えします!
イベント概要
■開催者の想い:
医療介護現場の取材を進める中で、現場には解決に結びついていない沢山の課題がある一方で、現場の生の声やアイデアを求めている経営者やクリエイターがいることを知りました。この2つが結びつくことで現場の課題解決が実現し、ひいては広島の地域医療発展に貢献できると思い、今回このようなピッチイベントを開催する運びとなりました。
■開催日時:
2021年8月22日(日)10:00~12:00
■場所:オンラインzoom
■講師:
・平田和彦氏(広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門部門長)
・松木大輔氏(外資系製薬会社/医療経営士/FP)
■主催:
リハノワ(代表 河村由実子)
本番までの2ヶ月間、登壇者8名は各講師によるブラッシュアップを2回ずつ(計4回)受講。その他、河村による課題追求段階の壁打ち会や本番前の発表練習会に取り組みました。
本業も忙しい中、皆さんが真剣に取り組み挑戦する姿には勇気と希望をもらいました。
登壇内容とコメント
8名の登壇内容とコメントを紹介します。
① 『小児のリハビリ界に“パラダイムシフト“を起こしたい!』理学療法士 小柳翔太郎
概要:
子どもに関わるすべてのセラピストがFamily-Centered Servicesの哲学に基づいた臨床を実践することで、小児のリハビリ界にパラダイムシフトが起きると考える。広島市で生じているセラピストがご家族を惑わせる要因を、広島県と広島県医師会が構築し運営する「ひろしま医療情報ネットワーク」を活用した、「セラピストと家族の協働」や「多施設セラピスト間の情報共有」に繋がるアイデアで解決する。
アイデアピッチには、漠然としたアイデアを形にしたいと思い参加しました。
発表を終えた今、どんなアクションを起こしたらいいか次の一歩が明確となり、あとは自分が行動に移すのみだと思います。誰に何を手伝って欲しいのか、今回の出会いを活かしてどんどん動いていきたいと思います。
この2ヶ月間を経て、親への関わり方もそうですが、やはりセラピスト間連携は大事だなと思い直しました。多施設多職種で子どもと家族のためになることをしていきたいです。
同じように課題を抱え悩んでいる人には、ぜひ考える経験になるのでこのようなピッチイベントへの参加をお勧めします。ありがとうございました。
②『私の地元が歳をとっても元気に過ごせる町になるために』理学療法士 津川 基
概要:
広島県東広島市志和町は、高齢化率が43.0%と日本の高齢化率28.8%を大幅に上回っている状況である。志和町は前期高齢者の割合が最も多く、現在の前期高齢者が今後元気に過ごせるかが課題であると考える。そのため、今回は前期高齢者が今後も元気に過ごせる志和町にすることを目的に、「野菜」「行事」をキーワードにアイデアを発表する。
発表を終えた直後の感想として、今はやり切った!という感覚です。とても緊張しましたが、それ以上に楽しかったです。発表後、チャットで自分の発表について話が繰り広げられてたことがとても嬉しかったです。
アイデアピッチ本番までの2ヶ月間を通して、問題に取り組むことに対するハードルは、いい意味で低くなったのではないかと思います。今後は、自分で企画し実践する段階へと進んでいきたいと思います。
自分の考えを表に出す機会はこういう時しかないため、非常に良い経験となりました。
③ 『車いすユーザーによる車いすユーザーのためのプラットフォーム作り』理学療法士 友田教仁
概要:
活動的なことを求めている車椅子ユーザーに向けた、当事者の声をベースとした情報発信や実際に一緒に活動できるコミュニティを提供することは重要であると考える。今回は、私が現在取り組んている活動「とまり木」の紹介も含め、今後の展開を発表する。
私が運営する車椅子ユーザーのための情報発信コミュニティは、身近にいる人の悩みを解決するために生まれたものです。しかし、それが本当に意義のあるものなのか悩むこともありました。今回改めてたくさんご意見を頂き、必要とされる現場はあるし、まだまだやり方次第では大きくなる可能性があると強く感じました。
ブラッシュアップなどでお話しさせて頂く中で、社会に対してどういう価値があるのかという視点も意識するようになりました。今後は、Googleマイビジネスやその他SNS、多くの分野と協力しながらの露出拡大を目指します。
病院で働いているとビジネスと関わる機会はなかなかないため、とてもいい時間になりました。課題の明確化や情報収集は1人ではできる範囲が狭まるので、こういった機会を通じて見直すのは大切だと感じました。
④ 『高齢者と地域を繋ぐ吉島地域特化型人材派遣サイト”じぃ〜ばぁ〜”』理学療法士 土井貴詔
概要:
広島市中区吉島地区で訪問リハビリに携わる中で、介護を必要とする高齢者の多くが社会的役割がなく、ちょっとした困りごとでも解決できる仕組みがないことが課題だと感じた。そこで今回は、”地域ぐるみでの暮らし”の実現の一端を担うサービス・吉島地域特化型人材派遣サイト”じぃ〜ばぁ〜” について発表する。
この2ヶ月間、課題追求やビジョン形成、解決案などに色んな面でアドバイスを頂きながら、しっかりと自分自身に向き合いワクワクと楽しい時間を過ごすことができました。
リソースを生み出すための思考・志向力を身に付けることを目的に参加させてもらいましたが、この2ヶ月間で課題からアイデアに落とし込むまでの深堀り作業の仕方は変化したと思います。
今後は、今回発表したアイディアを発展させ、空き家再生プロジェクトにも取り組んでいこうと考えています。この期間で学んだ多くのことを活かし、成長に繋げていきたいと思います。
⑤ 『ケアマネさんの週末cafe ~地域とともに~』介護支援専門員 山根延美
概要:
コロナ禍による長期の不要不急の外出自粛により孤立した高齢者が増えた。2020年10月、広島市の要支援から要介護状態へと変わった件数は前年度同月比で30%強であった。自分の特技であるパン作りを活かし “コロナフレイル予防” に取り組み、笑顔と元気を取り戻せる社会の実現を目指す。
皆さんの発表や自分にいただいたアドバイスを通して、繋がる事のパワーを感じたとともに、このアイデアは必ず形にすることができると思えました。
この2ヶ月間で、自分では思いつかないようなことをアドバイスいただいたり,他の参加者の方とも繋がることができてとても満足しています。
今後は、出張パン教室の実現とTikTokデビューを目指します!参加するまでは、私が手を挙げてもいいものか悩んでた時もありましたが,頑張って参加して良かったです。ありがとうございました。
⑥ 『医療と他分野の人と仕事が繋がるサイト「iTOi」』臨床検査技師 黒木真由
概要:
広島県廿日市市の地域医療・福祉の現場で働く中で見えてきた課題、コロナ禍で見えてきた課題を解決するため、音声×コミュニティサイト「医療と他分野の人と仕事が繋がるサイトiTOi」を考案。本アイデアについて発表する。
今までも色んな場でプレゼンする機会がありましたが、今回のようなサポートしてもらえたのは初めてだったので非常にありがたかったです。プレゼンが終わった今は、ほっとした気持ちとワクワク感でいっぱいです!
これまで日頃感じていた課題にじっくり向き合うことはあまりなかったので、とても良い機会になりました。2ヶ月間を通してアイディア自体はかなり変化しました。今後は、プレゼンした内容を実際に動かしていきたいです。
みなさんのアイディアも面白く、ここからリアルに繋がると良いなと感じました。とても勉強になる会に参加させていただき、本当にありがとうございました!
⑦ 『インターンを医療学生の文化に』医療学生 吉田卓弘
概要:
医療学生の多くは一般的な学生に比べて勉強量が多く、テストや課題に忙殺される日が多いと考えられる。そんな中、「自分が何をしたいのか」を忘れることが多いのが現状だと感じる。今回は、医療学生向けのインターン事業を発表する。
今回の経験を通して、僕自身考えがまとまり、課題解決のためにやれることを見つけられたと感じています。今回はアイデアありきで参加しましたが、課題に対する他の解決策も考えることができ勉強になりました。改めて僕自身、医療が好きなんだなということと、もっとやれることを増やせるよう毎日を真剣に生きていこうと思いました。
今後は、全国にインターン事業を拡大できるよう一つ一つ丁寧に実践していきます!最後まで伴走していただいた皆様、本当にありがとうございました。
課題の整理になるだけでなく、あらゆる視点からフィードバックがもらえることはとても有難いため、同じように悩んでいる方にはこのようなピッチイベントへの参加をオススメしたいです。
⑧ 『超高齢社会を家族と「いっしょ!」に乗り切るために』理学療法士 佐々木慎
概要:
広島に住む祖母と私の生活を映したYouTubeチャンネル「広島のばあちゃんといっしょ!」を発信する理由や目標を発表する。若い世代にとって家族・高齢者について考えるきっかけとなり、ひいてはこれからの超高齢社会を家族と「いっしょ!」に乗り切るためのひとつのピースとなれば幸いだ。発表は5分間の映像でお送りする。
僕がアイデアピッチに参加した目的は、とにかく自分のアイデアに意見がほしい、新しい情報を得られたらいいな、という思いでした。 講師のお二人、かわむーさんから多くの意見や、何より前に進む自信を与えていただき、本当に感謝の思いでいっぱいです。
今後は、声をかけてくださった方のアイデアを企画として実現させます。 この繋がりからさらに活動の幅を広げていきたいと思います。
アイデアはあっても自分の殻の中でしか進められない。 それも含めて認めてくださり、背中を押し、一歩進む手前まで連れて行ってくれるとてもアットホームなプレゼンピッチ大会でした。またいい報告ができるよう行動にしていきます。ありがとうございました!
アーカイブ配信
アイデアピッチの様子は、YouTubeにてノーカットで配信(vol1〜3)しています。以下のURLからぜひご覧ください。
■ 開会式_vol.1
■ 前半4名の発表_vol.2
■ 後半4名の発表_vol.3
今回の映像制作は、登壇者でもある佐々木慎さん(HighLight Tellus)にお願いしました。
エンドロールやCM、細かな配慮がとても素敵です!ありがとうございました。
(かわむーはvol3.のエンドロールでうるっときました、、、!)
講師より
会の最後に講師のお二人よりいただいたコメントを紹介します。
講師:
・医療サイド:平田和彦氏(広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門部門長)
・ビジネスサイド:松木大輔氏(外資系製薬会社/医療経営士/FP)
本当に皆さん、素晴らしいプレゼンをありがとうございました。
医療介護領域は非常に秘匿性である一方で、いろんな病気や背景を持った方を対象とするため非常に多様性があります。課題もシンプルなものではなく、解決に繋がりにくいことがボトルネックになると感じてきました。
今回皆さんからいろんなアイデアが出ましたが、このようなアイデアがどんどんと増えていくことで様々な問題にも対応できていくのではないかと感じました。
皆さんと2ヶ月間関わらせていただき、非常に希望を持つことができました。これからも、僕にできることは色々と支援をさせていただきます。
発表された皆さん、2ヶ月間本当にお疲れ様でした。準備から今日までかなり考え、そして悩まれ、今日のピッチに挑まれたかと思います。
今回皆さんが選ばれた課題以外にも、解決すべき課題はたくさんあるなと感じています。デジタルもどんどん進んでいますし、今日登壇された人同士でコラボすることでも新しいものが生まれてくるかもしれません。
医療の現場にいる方はあまり実感がないかもしれませんが、外の世界から見ると、医療というのは参入障壁が非常に高いと思います。しかし、外の世界の人と組むことで、そこを突破することはできると思います。ぜひ中にいらっしゃる人は、外の人を巻き込んでいってもらいたいです。
そうすることで競走優位性を保ちながら自分のやりたいことができると思いますので、ぜひそういった目線も持つと良いかもしれません。今後も楽しみにしています。
主催者より
最後に、リハノワ代表・河村よりご挨拶をさせていただきます。
改めまして、アイデアピッチを開催するにあたりご協力いただいたスポンサーや講師の皆様、参加者の皆様、また、2ヶ月間全力で取り組んでくださった登壇者の皆様、本当にありがとうございました。
今回、この舞台で発表された方々には、ぜひこの経験を活かしていただき具体的な次の一歩というのを踏み出していただきたいなと思います。
実は私自身、現在のリハノワのメディアをスタートしたのは、2019年に参加したアイデアピッチがきっかけでした。発表する過程で得た経験や、発表後に感じた課題感から今の事業を考えつき、発表の翌月にはプロトタイプを作成し運用開始。この春、本格的に力を入れるために公務員を辞め独立しました。
社会をかえるようなイノベーションを起こすときに必要なのは、圧倒的な現場の課題感(生の声)と、熱意と仲間です。皆さんにもぜひ、課題感、熱意、仲間を大切にしてもらいながら、これからもどんどんと活躍していっていただきたいです。心から応援しております。
2ヶ月間ご協力いただいた皆様、スポンサーの皆様、当日ご参加いただいた皆様、そして今記事を読んでくださっている皆様、本当にありがとうございました。
今後もリハノワは社会課題に対して強い信念を持って取り組んでいきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
協賛紹介
■ゴールドスポンサー
・ウィメンズフィジオケアセンター(AEHP株式会社) 代表取締役 一色史章 氏
会社紹介:
AEHP株式会社はウィメンズフィジオケアセンターを運営する母体の株式会社です。Advanced Education for Health Profession の略字であると共に、英語で人類を表すエープと読みます。弊社はあらゆる医療職種に対して世界一の教育を提供し、人類の健康に寄与することを目的としています。その中でもウィメンズフィジオケアセンターは中核事業を担っており、世界標準のウィメンズヘルス理学療法を学んだ理学療法士が各々の地域で女性の健康に寄与するケア・啓蒙活動を展開しております。
・うるおい訪問看護リハビリステーション
代表取締役兼所長兼理学療法士 中田恭輔 氏
会社紹介:
“ 24時間 365日、あなたの人生にうるおいを”
弊社は利用者様を中心に、ご家族・ご友人・弊社社員の“人生にうるおい”を与えることを目指す法人です。病気や障害で苦しんでいる方、介護疲れをしている方々に、少しでも楽に過ごしてもらえるように、負担を減らせるように“うるおい”を与えることを目指しています。保険内の訪問看護は、利用者様居宅において看護師等が行う療養上の世話又は必要な診療の補助とされています。利用者様と居宅外でも交流するために、地域住民と交流するために、最近は訪問看護に加えて畑の運営をスタッフ・利用者・利用者家族・地域住民と行っています。インスタに活動をあげているので良かったら覗いてやって下さい。
・MESプロモーション株式会社 代表取締役 片山由隆 氏
会社紹介:
医療系に特化したプロモーション支援を行っております。ホームページの制作や動画制作、Google My Business(以下GMB)の運用支援、マーケティング施策の最適化など、医療関係者がより多くの患者さんに知ってもらうためのプロモーション支援を手掛けております。クリニックの方向けには、主にGMBの運用支援を行っております。多くのクリニックがこの運用ができていないため、多くの患者さんが検索をしても、自分たちがほしい情報がなかったり、検索しても検索されてなかったり、ということが起こってしまっているためです。弊社では、そういったクリニックの課題をご支援しております。
■ シルバースポンサー
・後町陽子(医療経営コンサルタント/薬剤師)
経歴:
2007年明治薬科大学卒業。卒後、西アフリカのガーナ国にて2年間、保健医療活動に従事。帰国後、低所得国の医薬品流通や品質にかかわる医薬政策を研究するため金沢大学大学院博士前期課程(国際保健薬学)に進学。修了後、大手薬局のリクルーター、急性期病院の薬剤師、医療者教育メディアでの医師・薬剤師向けコンテンツの編集者を経て、ハイズ株式会社にて医療経営コンサルタントとして従事。
「必要とする人に適切な医療を届ける」をモットーに医療現場に寄り添うサポートの提供を心掛けている。メディア企業で培ったノウハウを生かした医療機関ブランディングのためのコンテンツ制作は定評を得ている。また、臨床経験かを生かし、医療現場の課題に沿ったITシステムの導入支援とオペレーション改善、個々の強みを活用する組織改善コンサルを得意とする。
・医療法人博善会 長尾医院
理事 長尾雅史 氏(専門:整形外科・スポーツ診療科、サッカー チームドクター)
法人紹介:
医療法人博善会は、1959年に開設され、現在62年目を迎えています。広島市安佐南区西原に位置し、これまで地域の皆様とともに歩んできました。内科や整形外科、スポーツ診療、リハビリテーション、泌尿器などの外来・入院診療を行う有床診療所である長尾医院に加え、サービス付き高齢者住宅「ケアビレッジながお」、居宅サービス、訪問介護、訪問看護、通所リハビリテーションを併設し、医療と介護一体となったケアを提供しています。
■ PRスポンサー
・岩本義隆,広島大学大学院医系科学研究科助教
・ 岩本義隆,Physiotherapy Hiroshima代表
・ かえる整骨院
・ 加藤歯科医院
・ 田邉友美
おまけ 〜2ヶ月間の歩み〜
最後まで読んでいただきたりがとうございました。
引き続き、リハノワをよろしくお願いいたします。
リハノワ代表・河村由実子(かわむー)
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