みなさんこんにちは、リハノワのかわむーです!
本日は、奈良県奈良市にある「たんぽぽの家アートセンターHANA」さんをご紹介します。
社会福祉法人わたぼうしの会が運営するたんぽぽの家アートセンターHANAは、アートなどの表現活動に力を入れている生活介護および就労継続支援B型事業所です。
本記事では、たんぽぽの家がアートに力を入れるようになったきっかけや実際の活動の様子をご紹介します。
(同法人が運営する「Good Job!センター香芝」「福祉ホーム」紹介記事)
たんぽぽの家アートセンターHANA
奈良県奈良市にある「たんぽぽの家アートセンターHANA」(以下、たんぽぽの家)は、すべての人がアートを通じて自由に自分を表現したり、互いの感性を交感したりすることができるコミュニティ・アートセンターとして2004年5月にオープンしました。
生活介護および就労継続支援B型事業所として福祉サービスを提供しており、1日に40名ほどの障害のある人が通われています。
施設内には、様々な表現活動ができるスタジオやアート作品が展示されるギャラリー、交流や主にたんぽぽの家でつくられた商品がおかれるカフェ&ショップやアートやケアの情報に触れられるインフォメーションスペースなどが完備されており、通われる方々は様々な時間を過ごすことができます。
利用者さん一人ひとりの個性や想いに寄り添いながら、多職種でサポートをしています。
「可能性の芸術」という文化を築く
たんぽぽの家の活動の始まりは、今から40年以上も前に遡ります。
当時、奈良県に初めてできた養護学校である「奈良県立養護学校(のちに明日香養護学校に改名)」は、奈良市から1時間程度離れた場所にありました。奈良県に住む肢体不自由の児童に親が付き添う形で通学していました。
親御さんたちの「重い障害があっても学んだり遊んだり、安心して暮らせる場所をつくりたい」という声から、たんぽぽの家づくり運動がスタートします。
始めの活動は「文化活動」でした。障害のある人の詩にメロディをのせて、みんなで歌う「わたぼうし音楽祭」を1976年に開催しました。その後、奈良市にあるマンションの一室を借り、脳性麻痺など重度の障害をもつ20名程度のお子さんが通える場をつくりました。
施設に通うお子さんは、日常生活全般に介助を要する状態です。どんな作業や活動を提供できるか考えた時にでてきたのが「表現活動」でした。絵が描ける人は絵を描く、織物が出来る人は織物をするなど、それぞれ個性にあわせて出来る表現活動に取り組みました。
障害のある人たちのアートを「エイブル・アート=可能性の芸術」という新しい視座で捉え直したことで、社会に新しい芸術観や価値観を与えることになります。
たんぽぽ家の始まりは、文化活動や表現活動だったのですね。
施設の立ち上げの当初から通われているメンバーは、現在60代だそうです。疾患特性により老化が早く、昔と同じように絵が描けなくなった方もいらっしゃるそうですが、1週間のうちの1日たった数分間だけでも筆を握り絵を描くことが、その方の生きがいとなっている人もいます。
また、自分の手を動かして手織りができなくなっても織るという作業はスタッフやボランティアにお願いをして、色選びをすることで織りに参加する方もいらっしゃるのだとお話を伺いました。
障害の程度や年齢に関係なく、誰もが「出来る範囲での表現活動」をしていること、そして、それが継続できる環境があることに大変胸を打たれました。
実際に施設内を見学!
スタッフの内山さんに、施設内にある3つのスタジオやギャラリー、カフェ、隣接するシアターを案内していただきました。
スタジオ【絵画・立体造形】
スタジオ【テキスタイル】
スタジオ【陶芸】
のびのびと作品づくりに励まれる方々から、自由に表現できることの楽しさや面白さとともに無限の可能性を感じました。
取り組む活動の内容は、1年に1度、利用者の皆さんの希望を聞いて変えることもあるそうです。様々な活動に取り組むことができるので、利用者の皆さんも毎回楽しみに通われているのではないでしょうか。
HANAギャラリー
スタジオの隣にあるギャラリーでは、定期的に「今を生きる人たちの表現を紹介する」企画展が開催されます。
訪問時には、福祉ホームコットンハウスで生活する上野和子さんの展覧会が開催されていました。
カフェ&ショップ
コミュニケーションの場として活用されるカフェスペース。ちょっと立ち寄り、休憩することもできます。ショップでは、アートセンターで生まれたアートグッズや書籍が販売されていました。
シアターポポ
隣接する建物には、多彩な作品や体験が生まれるスタジオ・ホールがありました。ダンスや音楽、演劇、スポーツ、コンサートや交流会など、様々な活動が行われるそうです。また、放課後等デイサービスの子どもたちも通ってこられます。
多岐に渡る表現活動やアート作品を見させていただき、自由で豊かな感性やそこから広がる無限の可能性に終始ワクワクしました。
奈良の地で40年以上前から障害福祉の礎を築いてきた「たんぽぽの家」。ここでは、障害・世代・性別・地域など、あらゆる違いを認め合う文化が表現活動を通して築かれています。
たんぽぽの家のスタッフや利用者さん、アート作品、建築、そして、実際に足を踏み入れた時の温かさや居心地の良さから、一人ひとりがより良く生きるための「豊かさ」を感じました。
これからも、たんぽぽの家の益々のご発展を心からお祈り申し上げます。
取材時、丁寧に対応いただいたスタッフの内山さん、利用者の皆さま、本当にありがとうございました。
施設概要
■ 運営
社会福祉法人わたぼうしの会
■ 開設
2004年5月
■ サービス内容
就労継続支援B型
生活介護
■ 開館時間
10:00 -17:00(日曜・月曜休館)
※ギャラリー企画展開催中は開館時間に変動があります
■ 所在地
〒630-8044
奈良県奈良市六条西3-25-4
Tel:0742-43-7055
Fax:0742-49-5501
Mail:tanpopo@popo.or.jp
■ SNS・関連サイト
・公式HP
同法人が運営する福祉施設も取材させていただきました。
・Good Job!センター香芝(就労継続支援事業所)
・コットンハウス / 有縁のすみか(福祉ホーム)
ぜひ合わせて御覧ください。
以上、本日は奈良県奈良市にある「たんぽぽの家アートセンターHANA」さんをご紹介させていただきました。
一人でも多くの方に、たんぽぽの家の素敵な想いと魅力がお届けできれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともリハノワをよろしくお願いいたします!
かわむーでした。
この取材は、施設から同意を得て行なっています。本投稿に使用されている写真の転載は固くお断りいたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
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