重症患者を在宅で積極的に看る「える訪問看護ステーション」|大阪府門真市

みなさんこんにちは、リハノワのかわむーです!

今回は、大阪府門真市にある「える訪問看護ステーション」さんを取材しました。

2021年5月に開所したえる訪問看護ステーションは、重症患者を在宅で積極的に看る訪問看護ステーションです。もともとICUの理学療法士として病院で働いていた河添有希さんが代表を務めており、急性期病院退院後の医療依存度が高い方への対応も積極的に行っています。

今回は、実際に在宅で人工呼吸器を使用する方のリハビリに同行しました。本記事では、える訪問看護ステーションの特徴や実際のリハビリの様子を紹介します。

える訪問看護ステーション

2021年5月に開所した「える訪問看護ステーション門真」は、大阪府門真市を中心に広域な訪問範囲で訪問看護・訪問リハビリテーションを提供しています。

かかりつけ医をはじめとした医療機関やケアマネージャーと密な連携を図り、情報収集と情報提供をおこなっています。

不必要な医療機関へのアクセスを防ぎながら、24時間365日対応の必要十分な介入を行うことで、利用者さんの安心安全な生活を支えています。

重症患者を積極的に看る

える訪問看護ステーションに在籍する看護およびリハビリスタッフは、病院の集中治療から緩和ケア、さらには在宅などで、がん・脳・心臓・肺・腎臓など様々な疾患に対する治療やケアの経験を積んでいます。そのため、あらゆる疾患および医療依存度が高い方への対応も可能です。

一般的な訪問看護サービスに加え、専門知識の必要な人工呼吸器や麻薬の管理・運用、それに関わるケアを行っています。

訪問リハビリ部門では、脳・心臓・肺・腎臓・骨折・がん・難病など多岐に渡る範囲のリハビリテーション介入に加え、福祉用具や住宅改修の相談、環境調整にも対応しています。一人ひとりの病気や身体機能、家屋環境はもちろんのこと、生まれてきてから今までの人生における「癖」や「嗜好」も加味しながらサービスを提供しています。

実際のリハビリ

かわむー
かわむー

今回の取材では、代表の河添さんが担当する呼吸器疾患の利用者さんの訪問リハビリに同行しました。

在宅における呼吸リハビリの様子を紹介します。


今回リハビリに伺ったのは、1ヶ月前まで入院で人工呼吸器管理を行い、集中治療室からそのまま自宅に退院された方です。現在は週2回、在宅で呼吸リハビリを実施しています。

この日のリハビリメニューは、以下の通りでした。

① 人工呼吸器着脱指導
② 呼吸指導/生活指導
③ 人工呼吸器装着下での運動療法

※ 使用している器械は、NPPV(非侵襲的陽圧換気)を行うための人工呼吸器の一種です。

人工呼吸器着脱練習。リハビリ前後のマスク着脱をご自身で実施してもらいます。
毎回行うことで、少しずつマスクの着け方にも慣れてきました。
ご家族さんへの呼吸器の操作指導も行います。指導をもとに、ご家族の方が丁寧に手順表を作成されていました。
機械を立ち上げます。
マスク装着と呼吸器設定ができたら、呼吸を整えます。リハビリは、バイタルサインや呼吸苦に合わせてゆっくりと進められました。
人工呼吸器装着下での運動療法。立った状態で呼吸を繰り返します。
続いて足踏み練習。1分程度行いました。
足踏み後は、呼吸をおちつけながら各数値や状態を評価します。


代表・河添さん
代表・河添さん

私は、呼吸リハビリを提供するにあたり、いつも利用者さんとのコミュニケーションを大切にしながら進めています。身体の状態を丁寧に説明し、選択肢を提示しながら、少しずつ病態やリハビリへの理解を深めていきます。

呼吸リハビリでは、脈拍数や酸素飽和度(SpO2)、呼吸数や呼吸苦などを適宜評価しながら負荷量や運動量を決定しています。

また、マスクやチューブによる皮膚トラブルが起きないようにも注意しています。マスクによって褥瘡(皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうこと)ができやすくなるため、鼻の骨の部分にガーゼを挟むなどして対応します。

酸素のチューブ(カニュレ)も、ピッタリと装着する人が多いので褥瘡ができやすい傾向にあります。普段のチューブの付け方に関するアドバイスも適宜おこなっています。



かわむー
かわむー

週2回の頻度で呼吸リハビリをすすめたことで、運動量は徐々に増えてきているそうです。今後の短期目標は、春には外を歩けるようになるまで回復すること。

綺麗な桜が見れることを、心から応援しています…!見学させていただき、ありがとうございました。


別記事には、河添さんが担当する利用者さんの生の声もまとめています。本記事の下部にリンクを掲載していますので、ぜひ合わせて御覧ください。


事業所概要

■ 運営
株式会社える
代表取締役社長 河添有希さん

 創業
2021年10月

■ 開所
2022年5月

事業内容
訪問看護、訪問リハビリ

■ ビジョン
「患うことに起因する様々な憂いの連鎖の無い社会を実現する」

ミッション
「時流を読み専門性と人間性をもって真っ当に臨む」

■ バリュー
・必要十分な介入を行い、不必要な医療機関へのアクセスを防ぐ
・職員の自己犠牲に頼らない
・重症患者を積極的に看る
・対話する

■ 所在地問い合わせ
大阪府門真市元町8‐4アンシャンテ高宮1F

TEL:06-6991-8471
FAX:06-6991-8472

■ 関連サイト・SNS
HP(える訪問看護ステーション)
Instagram(える訪問看護ステーション)
Twitter(える訪問看護ステーション)

代表・河添有希さん

◆ 河添 有希(かわぞえ・ゆうき)さん
1988年 兵庫県西明石市出身
株式会社える 代表取締役社長

<資格>
・理学療法士
・認定理学療法士(呼吸)
・3学会呼吸療法認定士

<略歴>
2010年 医療法人弘仁会熊本総合リハビリテーション学院卒業
2010年 医療法人和風会千里リハビリテーション病院
2013年 社会福祉法人恩賜財団大阪済生会中津病院
2020年 社会医療法人彩樹守口敬仁会病院
2021年 しあわせ訪問看護ステーション
     守口敬仁会病院にて非常勤コンサル
2022年 株式会社える創業

<学会発表>
日本呼吸ケアリハビリテーション学会にて多数

<書籍・連載>
・セラピストのための臨床における治療戦略を助けるエビデンスの活用方法. 医学書院
・訪問リハのためのルールブック. 株式会社gene
・3学会呼吸療法認定士に関するオンライン記事連載. メディカ出版株式会社

事業所に込める想い

シンボルマークの燕(つばめ)には、「素早い」「同じ家に戻ってくる」という習性と、SWALLOWの「飲み込む(清濁・様々な事情)」「巻き込む(家族・地域・医療機関)」という意味が込められているそうです。
える訪問看護ステーションは「全部、真っ当に全う」をテーマに運営されています。


かわむー
かわむー

私も以前はICUの重症患者さんを対象に呼吸リハビリを提供していましたが、HCUから直接自宅退院をした方がここまでしっかりとリハビリできる環境があるなんて…!ととても驚きました。

重症患者を対象とする集中治療領域では、PICS(post intensive care syndrome:ICU入室中あるいは退室後に生じる身体障害、認知機能、精神障害)が問題視されています。超急性期から在宅領域まで、関係する医療従事者がしっかりと連携しながらPICSに向き合うことはとても重要だと改めて感じました。

える訪問看護ステーションでは、日々の医療・介護サービスの提供に、代表の河添さんをはじめスタッフ一人ひとりが全力で向き合っていました。どのスタッフからもプロフェッショナルさを感じる、そんな素晴らしいステーションです。

在宅領域で積極的に重症患者さんを受け入れる事業所はまだまだ限られています。難しさも苦悩も多くあるかもしれませんが、リハノワはこれからも、える訪問看護ステーションのさらなるご活躍を心から応援しております。

丁寧に取材に応じてくださった代表の河添さん、スタッフの皆さま、ご利用者さま、本当にありがとうございました。



かわむー
かわむー

<関連記事>

利用者さんの声
代表・河添有希さん


ぜひ合わせて御覧ください。



以上、今回は大阪府門真市にある「える訪問看護ステーション」さんを紹介させていただきました。


一人でも多くの方に、える訪問看護ステーションさんの素敵な想いと魅力がお届けできれば幸いです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


今後ともリハノワをよろしくお願いいたします!



かわむーでした。

この取材は、施設から同意を得て行なっています。本投稿に使用されている写真の転載は固くお断りいたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

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