【リハビリ当事者の声】僕の右手は誰かの翼!34歳で脳出血を発症、しかしドローンが生きる気力を与えてくれた。| 片手のドローンパイロット 先城伸二さん <後編>

みなさんこんにちは、リハノワ.comのかわむーです!

本日は、脳出血の後遺症により左半身に麻痺がありながらも、片手でドローンを操縦するドローンパイロット、そしてユニバーサルドローン講師の「先城伸二さん」を取材してきたので、みなさんにご紹介したいと思います!

かわむー
かわむー

本編(後編)では、 “先城さんとドローン” について紹介しています。

前編では、 先城さんの “病気とリハビリ” について紹介しています。
ぜひ合わせてチェック・ご覧ください!



復職への道

先城さんが脳出血を患ったのは今から5年程前、当時34歳のことでした。
脳出血発症から約半年間の入院リハビリを経て、ご両親と暮らす実家に退院しました。

もともとマッサージ師として働かれていた先城さんですが、バランス能力が悪くなり、さらに片手ではプロとして患者さんはみることはできない、と転職を決意。
約1年ほど外来リハビリに励まれ、その後、復職を視野に自動車の運転再開を検討されました。

自主的に免許更新前に警察署に許可を取りに行かれ、結果はOK! 特殊加工を行うのみ(ハンドルに片手でも運転しやすいように持ち手をつける)で許可がおりました。特殊加工の部品は2万円程度で取り付けできたそうです。
(通常は免許更新の際に、医師の診断書や免許試験場での適性検査などが必要になるようですが、詳しくはお近くの警察署や免許試験場にご確認いただくのが良さそうです。)

その後、自動車運転を再開された先城さんは、早速ハローワークへ。
ご縁があり、福祉施設で週5日(1日4時間)お仕事をすることが決まりました。

運命の出会い

就労支援施設でお仕事を始めてしばらくたった頃、運命的な出会いを果たします。

それが、瀬戸内ドローンウォーカーの代表・岡田秀一さんです。
「僕ドローンをやってるんだけど、先城さんも練習すれば片手でもできるんじゃない?」と、声がかかりました。

小さい頃ラジコンで遊んでいた経験から、「左手が動かない状況で操縦するのは難しいんじゃないか」と感じたそうですが、最終的に興味が勝り始めてみることに。

その後、ドローン業界の技術革新や支えてくれる仲間のおかげもあり、みるみるうちに上達。ドローンの魅力にどっぷり浸かり、その熱意はどんどん加速していったそうです。

岡田さんも、
「先城さんの成長には、目を見張るものがある。努力しているぶんだけ上手になっていると思うし、工夫していますよね!」と、おっしゃっていました。

かわむー
かわむー

好き” や “楽しい” “ワクワクする” という感情に当初の不安な気持ちもかき消され、次々と行動する勇気に繋がっていったという姿がとても印象的でした。

職場で偶然一緒だった岡田さんとの運命的な出会いが、先城さんがドローンと出会うきっかけになったのですね。

先城さんとドローン

もともと工学系の学校出身で、ロボットを作ったりもしていたという工作の得意な先城さん。
片手でドローンを操縦するために、日用雑貨のお店に通い詰め、自ら特性画板(補助具)を作成しました。


画板を首から下げ操縦を行うスタイルが先城さん流!


ドローンを始めて2年も経たないうちに、公認団体のドローンパイロット、そして後にドローンのインストラクターも取得したそうです!

現在はドローンを始めて3年程が経ちましたが、総操縦時間はなんと100時間を超えたそうです!

(すごすぎます!!)




かわむー
かわむー

先城さんにとって “ドローン” とは、どういう存在なのでしょうか?


ドローンは相棒ですね!
 左手まで物を持ってもらう事はできないけど、左手には出来ないことをやってくれる。」


 「探究心というか、もっと撮りたい!とか、もっと色んな操作をしたい色んな人や風景・シチュエーションを撮りたい! こんな欲望がどんどん出てきて、“生きる気力” を与えてくるんです。」



そう語る先城さんは、キラキラと優しい目をしていたのがとても印象出来でした。

かわむー
かわむー

“ 病気に感謝はしないけど、おかげで沢山の人に出会うこともできたし、できるようになったこともある ” と話されていた先城さん。

先城さんにとって、ドローンはもはや身体の一部といっても過言ではないほど、なくてはならない大切な存在になっているのですね。

これからも相棒のドローンと共に、たくさんご活躍をされることをお祈りしています!

仲間の存在 / 瀬戸内ドローンウォーカー


「素敵な人たちとの出会いに感謝しています。
 人との出会いによって、次への扉がどんどん広がっていく感じがする。
 僕は1人じゃない、って思えるんです。

 みんな違う職業だし、境遇だし、見方が一つじゃないから面白いですね。意見が違うから。」


そう、瀬戸内ドローンウォーカーの仲間の方達のことを話す先城さん。
ドローンとの出会いを導いてくれた、瀬戸内ドローンウォーカーの仲間の方達とともに、先城さんは日々撮影を続けています。

かわむー
かわむー

“僕は1人じゃない” と思わせてくれるような素敵な仲間に先城さんは支えられているのですね。

先城さんも所属する瀬戸内ドローンウォーカーこちらから。

どんな人でもドローンが使える環境づくりを


ユニバーサルドローン=障害のないドローン(身体機能に関係なく誰でも使えるドローン)が、
 今後、もっと普及していけるようになればいいですね。安全はもちろん考慮して。

 自分のような障害を抱えた方でも、ドローンを使うことができる環境を作って、リハビリにも使えるように、普及を目指していきたいです。」


“ 障害を抱えた方でもドローンが使える環境づくりを
そんな熱い想いを持って、先城さんは今日もドローンと共に活動をされています。


かわむー
かわむー

素敵な活動ですね!
現在は、子どもや高齢者に向けたドローンの講習もされているそうです。

同じように脳梗塞の後遺症で悩む方や、障害のある方の新たな一歩に繋がっていくといいですね。

空間認知などを鍛えるリハビリにも有効なのではないかと、現在少しずつ研究も進んでいる「ドローンリハ」!こちらも今後の進展に期待です!

先城さんよりメッセージ

最後に、先城さんから直接いただいたメッセージを、そのまま皆様にお届けします。


リハビリに対してやりたくない理由を考えるよりも、やる “目的” を考えてほしい。そして、一度決めたらぶれずに貫いて欲しいです。目的はオーバーすぎる方がいい!

スポーツをするときには、準備運動 (ストレッチ) を行なって、最大限の能力を発揮するために備えるものです。同じようにリハビリは、今後の人生においてのストレッチにあたるんじゃないかと考えます。しっかりと柔軟に対処できるように準備し、飛躍するためのものだと思います。


とにかく攻撃 (前進) しつづければ、防御 (逃げる)ことなんかしなくていい!


僕はユニバーサルドローンが、今後、もっと普及していけるように頑張ります!

僕がその扉を開けていくので、誰かついてきてくれればと思います! ぜひ、一緒にやりましょう!




かわむー
かわむー

先城さん、力強いメッセージをありがとうございます!
この記事を読んでいる全ての人に、しっかりと届いたのではないでしょうか。

新たな道を切り開いていくのは本当に並大抵のことではないとは思いますが、私も全力で応援させていただきたいと思います!

先城さん、これからも持ち前の明るさとガッツで、頑張ってください!





以上、本日は、広島県在住の片麻痺のドローン操縦士・先城 伸二さんの “先城さんとドローン” について紹介させていただきました。

前編では、 病気とリハビリ について紹介しています! ぜひこちらも合わせてご覧ください。


一人でも多くの方のリハビリの励みや元気に繋がると幸いです。




最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後ともリハノワ.comをよろしくお願いいたします!



かわむーでした。





▶︎ 先城さんの所属するドローンサークル「瀬戸内ドローンウォーカー」はこちらから。
▶︎ 先城さんのFacebook はこちらから。
▶︎ 先城さんの「2019年の活動のまとめ」と「2020年に挑戦したいこと」が書かれた記事はこちらから。




※この取材は、本人の同意を得て行なっています。本投稿に使用されている写真の転載は固くお断りいたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

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