みなさんこんにちは、リハノワ.comのかわむーです!
本日は、脳出血の後遺症により左半身に麻痺がありながらも、片手でドローンを操縦するドローンパイロット、そしてユニバーサルドローン講師の「先城 伸二さん」を取材してきたので、みなさんにご紹介したいと思います!
本編では、先城さんの “病気とリハビリ” について紹介しています。
続く後編では、 “先城さんとドローン” について紹介しています。
ぜひ合わせてチェック・ご覧ください!
先城さんを襲った病気「脳出血」
チャームポイントの髭を触りながら、「僕ね、仙人目指してるんですよ〜!」と明るいジョークで周囲を笑わせてくれるのは、広島県在住の片麻痺のドローン操縦士・先城 伸二さん。
人を惹きつける面白いトークと笑顔、そして明るい性格がとっても魅力的な男性です。
先城さんが脳出血を患ったのは今から5年程前、当時34歳のことでした。
冬真っ只中の12月のある日、寝ている時に突然頭の中で「ブツっ」という音が聞こえ、次第に左半身が痺れて動かなくなったそうです。その後、救急車で病院へ搬送された先城さん。左半身の麻痺と左目の視野障害、左半側空間無視などの障害が生じ、理学療法や作業療法などの入院リハビリを約1ヶ月間実施。
その後、リハビリを集中的にできる専門の病院へ移り、約5ヶ月間の入院リハビリに励み、ご両親と暮らす実家へ退院。外来でリハビリを続けること約1年、ついに自動車の運転許可を得た先城さんは早速ハローワークへ。現在は週5日で福祉施設でお仕事をしながら、月に3回ほど外来リハビリに通われています。
絶望との戦い
「高血圧で睡眠時無呼吸症候群もあって、おまけに寒い時期だったもんだから、脳の血管に負担がかかってたんでしょうね。
実は親父も同じように脳の病気で倒れてたから、ついに “俺の番がきた、、!” と思いました。親父はもう死にたいとか言ってたから僕がずっと励ましてたんです。で、リハビリは90日が勝負、ということも知っていましたし、とにかく倒れてすぐに “リハビリしなきゃ!”って思って必死に頑張りました。」
と語る先城さん。
倒れた翌日からリハビリには意欲的に取り組まれていたそうで、当時担当の脳神経外科の先生にもびっくりされるくらいだったようです。
しかし、リハビリが進んできてある程度自分でも回復度合いが分かるようになると、
「あ、ダメだな。やっぱり、、、」 と、限界を感じられたそうです。
足は回復してきて歩けるようになったものの、左手がどうしても動かない。両手が使えないと日常生活や仕事ではできないことが多くなるので、その時はとても絶望を感じたそうです。
それでも僕は走り続ける
目の障害を負い、左手は全く使えない、さらには足は歩けるものの麻痺が残りバランスを崩しやすい状況。今まで普通に生活していたのに、それがある日を境に一変してしまった。
そんな状況の中で、
先城さんは当時、落ち込み、ふさぎ込むようなことはなかったのでしょうか。
「落ち込まない!
僕には、落ち込んでる暇なんてなかったです!」
と、私の質問をひと蹴りする先城さん。
「確かに絶望は感じたけど、みんな前に向かって走っていて、当然僕も引きずりながらだけど前に走っている訳で。そこで、落ち込んで後ろなんて向くと、もう走れなくなるじゃないですか。そんな暇ないです。
“人生は二度ないから。一度しかないから” 」
そう語る先城さんの目の奥からは、とても強いパワーを感じました。
ひたすら前を向き力強く走り続けているその姿に、とても勇気をもらいました。
倒れた直後の先城さん(当時34歳)
仙人になる前の貴重なショット、だそうです。
家族の支え
当時から、一生懸命リハビリに励む先城さんの心の支えになっていたのはご両親の存在でした。
「僕は一生懸命やればよかったけど、支えてくれる皆は大変だったと思う。
ちょうど働き盛りの年齢だったから、負い目というか、“ごめんね” というのはありましたね。
今はもう、“ありがとう” という言葉しか思い浮かばないですね。」
と語る先城さん。
ご両親も先城さんがドローンと出会い、生きがいを見つけられたり、普通に生活していたら出会えないような感動や経験をされていることを、とても喜ばれているようです。
先城さんは、とにかくビックリするくらい明るくて前向きな方なのですが、この明るさの裏にはいつも、素敵な家族の絆があったんだなぁと感じました。
先城さん直伝!リハビリ講座
「僕の今の目標は、左手を動かすことです!諦めてませんよ!
必ず良くしてやるって思ってる。日常の生活を通して、今も少しずつ練習しています!」
そう語る先城さん。
普段、ご自身で一体どのようなリハビリに取り組まれているのか、実際に先城さんに聞いてみました! ここではその一部を紹介したいと思います!
① 左手の運動
・お椀を持つ練習
・指を1本ずつ伸ばす練習
(当初は全て曲がっていてグーの手から動かなかったそうですが、現在は中指〜小指はご自身で伸ばせるようになっていました!)
・母指球のあたりの固まりやすい筋肉のマッサージ
・指でつまむ練習
・買い物袋を持つ練習
(実際に買い物に出かけた時に、買い物袋を指で持ってさげる練習をしているようです!)
② 足の運動
足に関しては、とにかく “歩く練習” を頑張られるそうです。
③ ドローンを使って空間認知を鍛える!
リハビリを開始して1年で出会ったドローンで、視野や半側空間無視に対する練習をされているそうです。詳しくは、「後編」でその魅力に迫っていきます。
左手の運動メニューは、なんと当時入院中に先城さんについていた、リハビリの学生さんが作ってくれたそうです!なんとその練習ノートを参考に、今でもずっとリハビリを続けられていそうです!!
こ、これは、、セラピストとしてはめちゃくちゃ嬉しい話ですね!この記事がぜひ当時の学生さんに届きますように、、、!(かわむー切に願います。)
また、ドローンを使ったリハビリが生体に及ぼす影響については、気になる方(セラピスト)も多いのではないでしょうか!?私も非常に興味深いです。
現在、研究も進められているドローンリハ!今後に期待です!
5年前の自分へメッセージ
「食事療法と規則正しい生活とリハビリと運動で20キロ痩せるけど、まだまだ頑張ってもっと痩せとけ! いずれ働き出したら元の体重に戻って意味ないぞ!」
と笑いながら話す先城さん。20キロの減量はすごいですね!
1年後に戻ったのは体重だけだ、と笑って話されていましたが、最後には、
「オメェに言うことは特にねぇから、とにかく頑張れ!!自分が目標にされるぐらい、頑張れ!!」
と、とても熱いエールを送られていました。
「自分が目標にされるぐらい、頑張れ!」と過去のご自身にエールを送られていましたが、今、先城さんを目標にする人、そして、たくさんの希望や勇気をもらった人は、多いのではないでしょうか。
私自身、先城さんとお話しをしながらとても元気をもらいました!
同じような病気でリハビリされている方へ
ここからは、
先城さんから直接いただいたメッセージを、そのまま皆様にお届けします。
僕の生き方に共感していただき、少しでもカッコいいと思ってくださった方、ありがとうございます!
ですが、僕の人生は今までカッコ悪いを通り越して、見苦しいまでにあがいたり、逃げたり、ごまかして妥協してきた、ごくごく普通の人生でした。
だからこそ病気になったとき、身体は左半身麻痺のハンデを背負いましたが、気持ちの余裕というか、重い荷物 (経験や体験 、人生等 )を下ろした事により、もう1度リスタートできたんだと思います。
出血した部分は脳にダメージを与え、記憶や経験などが一部欠落することがあると言われています。そのため、主治医の先生からは「先城さんは、脳出血した事で、何を忘れたのかも忘れちゃったんだよ。」と言われました。
その1年後に撮ったMRIでは、出血した部分が壊死して、親指の先くらいは脳が溶け落ちて空洞化していました。この時、以前先生に言われた言葉を思い出すと共に、アニメ・ドラゴンボールの歌で『頭カラッポの方が夢詰め込める』という歌詞を思い出し、僕も夢を詰め込むことにしました。
そこからいろんな出会いがあり、今僕は “ドローン” とともに、大きな夢に向かって少しずつ歩んでいます。
だからどうか落ち込み塞ぎこまないで。あなたも僕と一緒に、夢を詰め込んでみませんか?
“ 辛いこと、不幸なこと、とってもわかる。
だけど、結局は向き合わないといけないんだから、さっさと向き合って新しい選択肢・新しい枝を、見つけてほしいですね。僕は、その手助けをしたい ”
そう力強く話されていた先城さん。
彼の懐の深さに心打たれたかわむーでした。
以上、本日は、広島県在住の片麻痺のドローン操縦士・先城 伸二さんの “病気とリハビリ” について紹介させていただきました。
続く後編では、 “先城さんとドローン” について紹介していきたいと思います! ぜひこちらも合わせてご覧ください。
一人でも多くの方のリハビリの励みや元気に繋がると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともリハノワ.comをよろしくお願いいたします!
かわむーでした。
▶︎ 先城さんの所属するドローンサークル「瀬戸内ドローンウォーカー」はこちらから。
▶︎ 先城さんのFacebook はこちらから。
※この取材は、本人の同意を得て行なっています。本投稿に使用されている写真の転載は固くお断りいたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
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