みなさんこんにちは、リハノワ.comのかわむーです!
本日は、うるおい訪問看護リハビリステーションさん協力のもと、脳梗塞後遺症がありながらも、90歳でグランドゴルフに再挑戦、奥様の支えや人との繋がりにより再度奮起された広島県在住の90代男性「サイちゃん」を取材してきたので、みなさんにご紹介したいと思います!
サイちゃんとリハビリ
ほんのり小麦色に日焼けした肌。
「この肌色の理由を知りたい?」と満遍の笑みで話されるのは、今年の4月から訪問リハビリにてリハビリを頑張られているサイちゃん。
見た目は確実に10以上は若く見える、とってもダンディな男性です。
サイちゃんが脳梗塞を患ったのは今から2年半程前。
右半身の麻痺と右目の視野障害、構音障害(話しにくさ)が生じ、理学療法や作業療法、言語聴覚療法などの入院リハビリを2ヶ月間実施。
しかし、入院中リハビリに取り組まれている最中に、なんとお腹の動脈瘤が原因で倒れ、手術をするために再度大きな病院へ転院。手術は無事に成功し、3週間ほどで再びリハビリ病院に転院。そこで数ヶ月間の入院リハビリを行い、奥様と住む自宅へ退院されました。
それから1年以上は、外出は病院へ行く時のみ等に減り、自宅の中での生活が主になっていたサイちゃん。しかし、今年の4月より訪問リハビリを開始。現在、一生懸命リハビリに取り組まれています。
90歳でグランドゴルフに再挑戦!?
4月より訪問リハビリを開始し、はじめはとにかく体力をつけるために、外を歩く練習からスタートしたそう。この頃は20分歩くのも精一杯で、とてもクタクタになっていたようです。
しかし、リハビリの成果は徐々に出てきてます。
もともと60代後半からグランドゴルフをやっていたサイちゃん。
訪問リハビリを開始し2ヶ月ほど経ったある日、なんと仲間が集まる練習場へふと行ってみたのだそうです。
この日から、サイちゃんのグランドゴルフの再挑戦が始まります。
目標:
“ グランドゴルフが出来るようになること。理由は、皆さんとお話がしたいから。”
リハビリを始めた当初、屋外でリハビリの先生と歩行練習をしていると、近所の人たちがたくさん声をかけてくれたようです。それで、サイちゃんの元気やモチベーションも次第に上がってきたのだとか。
人と関わること・人と繋がることの喜びは絶大なものなのですね。
WHOの健康の定義に「社会的な繋がり」が含まれていることが身にしみて分かったお話でした。
“生きがい” があるということ
晴れて訪問リハビリを開始して2ヶ月目より、週に1回程度のペースでグランドゴルフを再開することのできたサイちゃん。
体力の回復に伴い、次第に回数は週1回から2回に増加。
そして、開始後6ヶ月にはなんと2ラウンドすることも可能に!
そしてさらに最近では、月に4回ほどある記録会にも参加できるようになり、週の回数も3回に増加!
おまけに開始後7ヶ月には、なんと遠征にも参加されたそうです!(驚きです、、、!)
ゲートボールは喧嘩になるけぇいけん、と、グランドゴルフに転身してから20数年。
以前は、100人以上出場する大会で何度か優勝経験もあるのだとか。
脳梗塞や血管の大手術を経て90歳で再開、そして今こうして、再びグランドゴルフが “生きがい”となっているのでした。
グランドゴルフ仲間で最高齢のサイちゃんは、
「人と同じように行動すると遅れをとるから、とにかく早く動くようにしている!休む暇なんてないよ〜」
と笑いながらお話されていました。、、、その意気込みに、脱帽です。
サイちゃんから、本当にたくさんのパワーをいただきました!
とにかく多忙!サイちゃんの毎日
グランドゴルフを通して、外出の機会が増え元気になってきたサイちゃん。
しかし、実はグランドゴルフ以外にも、奥様とともに月2回のカラオケサークルに通われたり、いきいきサロン、リハビリ体操に通われたりと、とにかく多忙!
人との繋がりがあるからこそ、これだけ若々しくイキイキとしておられるんだなぁ、と改めて実感しました。
外出、大事ですね!
サイちゃん直伝!リハビリ講座
自宅で一体どのようなリハビリに取り組まれているのか、実際にサイちゃんに教えてもらいました。ここではその一部を写真付きで紹介したいと思います!
① 折り紙(ゴミ入れ作り)
細かい指の練習と、頭の体操になるようです。
いらない広告を使用した、ゴミ入れ作り。折り目はアイロンをかけながら行う丁寧さ。
リハビリにもなるし、冬はミカンの皮入れなどにも使えて一石二鳥です!
② 肩挙げ練習
麻痺していない方の手で助けながら肩を上に挙げる練習のほか、自宅ガレージに肩挙げマシーン(プーリー)が設置。以前はこれもよく使っていたそうです。(椅子に座って実施・息子さん作)
③ ストレッチ
股関節まわりや足のストレッチ。10秒以上行います。
(サイちゃん、とっても柔らかいです!)
④ 寝転んで筋力練習
足上げの練習を行います。左右交互に、10〜20回程度。
⑤ スクワット
手を組んで、腰もしっかりと下げるハイレベルなスクワット。
膝が痛くならない程度に、10回ほど行います。
⑥ 椅子体操
椅子の背もたれを持って、片足ずつ、横に後ろに筋力練習。
ふくらはぎのストレッチも可能です。
その他:
庭の散水や箸でご飯を食べることなど、日常生活にリハビリを取り入れているそうです。
だいぶ少なくなったそうですが、庭には綺麗なお花が咲いていました。
奥様との二人三脚
リハビリを頑張れる原動力は、「周囲の励まし」と話すサイちゃん。
特に、3歳年下の奥様は、入院中は毎日遠い病院まで通い、サイちゃんを励ましてくれたのだそう。取材の時も、リハビリを頑張るサイちゃんの隣でずっとエールを送られていました。
「 1人じゃぁ生きられん。本当、“支えあい” ですよね。」
と話す奥様の目はとても優しい。
夫婦がお互いに尊敬しあい、励まし、支え合っている。
そんなサイちゃんご夫婦の二人三脚で歩まれる姿が、私にはとても素敵で印象的でした。
メッセージ 〜リハビリを頑張っている仲間へ〜
とにかく、
「絶対に諦めないこと!」
悪くなっても、よくなる時が必ず来る。諦めたらそこで終わり。
欲張らずに一つずつこなしていくこと、かな。
最後は人生の大先輩・サイちゃんからとても力強いメッセージをいただきました。本当にたくさんの困難を乗り越えてきたサイちゃんだからこそ、この言葉はとても心に響きました。
サイちゃんのとにかく社交的で元気いっぱいな姿に感動したかわむーでした。
サイちゃん、本日は本当にありがとうございました!
以上、本日は、広島県在住の訪問リハビリに取り組む「サイちゃん」を紹介させていただきました。
一人でも多くの方のリハビリの励みや元気に繋がると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともリハノワ.comをよろしくお願いいたします!
かわむーでした。
※この取材は、本人またはご家族の同意を得て行なっています。本投稿に使用されている写真の転載は固くお断りいたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
コメント
[…] <セラピスト紹介>代表を務める理学療法士・中田恭輔さんの紹介はこちら。スタッフとして務める作業療法士・前島菜見さんの紹介はこちら。<当事者の声>中田さんが担当する利用者さんの声はこちら。前島さんが担当する利用者さんの声はこちら。ぜひ合わせてご覧ください。 […]