【当事者の声】パーキンソン病と向き合う日々。小さな一歩が、明日への希望に|西大和リハビリテーション病院

みなさんこんにちは、リハノワのかわむーです。

今回は、奈良県にある西大和リハビリテーション病院のパーキンソン病外来で、リハビリに取り組まれてきたY.Kさんにお話を伺いました。

「なんとなくの違和感」からはじまったパーキンソン病と向き合う日々。2025年から取り組まれているリハビリを通じて、少しずつできることや、行ってみたい場所が広がってきています。

この記事では、Y.Kさんのこれまでの歩みと、リハビリを通して感じている変化、そして同じように悩むパーキンソン病当事者の方へのメッセージをお届けします。

パーキンソン病のはじまり

◆ Y.Kさん
奈良県出身。2019年にパーキンソン病の診断を受ける。2025年よりリハビリを開始し、同年8月から西大和リハビリテーション病院のパーキンソン病専門外来に通い、3ヵ月間のリハビリを実施。現在は治療とリハビリに取り組みながら、「できること」を少しずつ積み重ねている。


かわむー
かわむー

はじめに、パーキンソン病と診断されるまでの歩みについてお聞かせいただけるとうれしいです。

どのようにご自身の変化に気づかれたのか、受診に至るまでの経緯も含めて教えていただけますか。


Y.Kさん
Y.Kさん

振り返ってみると、はじまりは2015年頃だったように思います。

左手でものを落とすことが増え、「右利きだから、左が弱いのかな」と、そのときはあまり深く考えていませんでした。ただ、年々、左足を引きずるようになっていったんです。

もともと左足には静脈瘤があったので、「そのせいかな」と思い、手術も受けましたが、症状は変わりませんでした。その頃から、「もしかしたら別の原因があるのではないか」と考えるようになりました。

静脈瘤を診てもらっていた病院の先生に紹介状を書いていただき、大きな病院を受診。そこでようやく、「パーキンソン病」と診断されました。2019年のことです。

その時は「まさか私が、パーキンソン病だなんて…」と、とても驚きました。何も分からず、ただ戸惑いの中にいたことを覚えています。

診断を受けてからしばらくは、「リハビリをする」という選択肢があることも知らず、お薬を受け取りに通院する日々が続いていきました。



リハビリとの出会い

かわむー
かわむー

原因がはっきりしないまま時間が過ぎていく中で、不安や戸惑いを感じることも多かったのではないかと思います。

診断後しばらく経って、「リハビリを始めよう」と思われたのには、どのようなきっかけがあったのでしょうか。


Y.Kさん
Y.Kさん

転機になったのは、2024年の夏でした。もともと歩きづらさはあったのですが、だんだんと姿勢が前のめりになり、腰の痛みも出てきたんです。「このままではいけない」と感じて、リハビリについて先生に相談してみました。

その病院では外来でのリハビリは行っておらず、入院している方が対象とのことで、「それなら少し入院してみましょう」ということになり、2025年3月に2週間ほど入院しました。

パーキンソン病のお薬の調整とあわせて、初めてリハビリを受けました。そのときは、ストレッチや軽い運動が中心でした。



Y.Kさん
Y.Kさん

退院後、1週間くらいは調子良く過ごせていたのですが、またすぐに元の状態に戻ってしまったんです。

ケアマネジャーさんに「どこかリハビリを受けられるところはありませんか」と相談したところ、西大和リハビリテーション病院を紹介していただきました。

そして、電話で問い合わせ、外来リハビリの見学に伺いました。

リハビリ室の広さや数の多さ、先生方がたくさんいらっしゃって、一対一で丁寧に関わってくださる環境、そして道具や機器もたくさんそろっていることに、「こんなに充実しているなんてすごい!」と感動したのを覚えています。

パーキンソン病に特化した外来リハビリ(パーキンソン病外来)は、13週連続して行うプログラムということもあり、すぐには始めることができませんでした。そのため、開始までの約3ヵ月間は訪問リハビリを受けながら過ごすことにしました。


西大和リハビリテーション病院のリハビリ室
パーキンソン病外来は、週に1回、午前中の90分を使って開催される3ヵ月間のプログラム。1期間の定員は6~7名。集団体操と個別リハビリを組み合わせながら行われている。

専門外来リハの時間

かわむー
かわむー

パーキンソン病外来では、どのようなリハビリに取り組まれましたか? 実際の内容についてぜひ教えてください。


Y.Kさん
Y.Kさん

初回の日は、まずたくさんのテストから始まりました。筋力を測ったり、身体の動きを細かく見ていただいたり、アンケートに答えたりと、本当にたくさんの項目を確認してくださいました。

毎回のリハビリは90分ほどで、はじめに30分の集団体操を行ってから、そのあと1時間ほどの個別トレーニングに入ります。

私は姿勢の改善を中心に見ていただいていて、猫背になりやすいところや、バランスの不安定さを整えるような内容が中心です。

どの先生に何をお聞きしても、専門的なことを分かりやすく教えてくださるので、とても学びになっています。


集団体操の時間、セラバンドを使った腕の運動に取り組むY.Kさん
セラピストが一人ひとり丁寧に伴走している。


かわむー
かわむー

実際にパーキンソン病外来リハビリの様子を見させていただきましたが、その充実した内容に大変感動しました。パーキンソン病の専門チームのセラピストのみなさんが、それぞれの状態に合わせてここまで丁寧にリハビリを提供しているところは、なかなかないと思います。


個別リハビリでは、Y.Kさんは下記のようなプログラムに取り組まれてました。

<この日のリハビリメニュー>
・腰やおしり周りのストレッチ/筋力トレーニング
・バランス練習
・免荷装置を用いたトレッドミルでの歩行練習


腸腰筋や大腿直筋などのストレッチを入念に行
障害物を置いて、バランスやステップの練習
免荷装置を用いたトレッドミルでの歩行練習。速度は2.5km/h程度のゆっくりとしたスピードで実施
左足のわずかな遅れや引っかかりに対して、セラピストの方がアシストしながら丁寧にサポートしている。


かわむー
かわむー

とても濃密な90分、Y.Kさんが1つひとつのリハビリにとても真剣に取り組まれている様子が印象的でした。



週に1回のリハビリに加えて、ご自宅で取り組まれていることも何かありますか?


Y.Kさん
Y.Kさん

自宅では、いただいた冊子を見ながら、ストレッチや筋力トレーニングに取り組んでいます。とても分かりやすくまとめてくださっていて、「こんなに丁寧なものまでいただけるんだ」と、ありがたく感じながら続けています。

夜、寝る前の時間を使って行うことが多く、毎日しっかりとはできないのですが、週に5日くらいは少しずつ取り組むようにしています。

思うように身体が動かず、歯がゆさを感じる日もありますが、それでも続けていくことが大切だと感じています。

息子たちが、「背中、曲がってるよ」と声をかけてくれることもあって。家族にも支えてもらいながら頑張っています。


パーキンソン病外来で参加者の方に配布される冊子
「洗濯やお風呂掃除などいろいろと手伝ってくれるんです。さりげないやさしさに、いつも助けられています」とご家族への感謝を語るY.Kさん。


小さな変化が未来につながる

かわむー
かわむー

リハビリを通して、少しずつ変わってきたと感じることはありますか? 日常の中での変化や、「前よりできるようになったな」と思うことがあれば、お聞かせください。


Y.Kさん
Y.Kさん

洗濯物を干すときに、以前は手を挙げるのがしんどかったんですけど、最近はそれが少し楽にできるようになりました。日によって波はあるのですが、そうした小さな変化はうれしいですね。

それから、少しずつ「行ってみたいな」と思える場所も増えてきました。これまでは近くの小さなスーパーに行くくらいだったのですが、「イオンモールに行ってみたいな」と思うようになりました。特別に欲しいものがあるわけではないんですが、買い物に出かけてみたいなと思っています。

あと、お気に入りの音楽グループのライブに行くことも、いまのひとつの目標です。

病院の先生からも、「いろいろな場所に行って、脳に刺激を与えてください」と言われているので、少しずつでもチャレンジできたらと思います。

これから先も、できるだけ自分の足で動ける時間を大切にしていきたいです。病気のことを考える時間はどうしても増えてしまいますが、それでも、できることを続けながら日々を過ごしていきたいです。


かわむー
かわむー

お話しにあったイオンモールは、西日本最大級の広さだと伺いました。歩くのに大変な場所だと思いますが、その場所を目標にされていることが本当に素晴らしいです。 ライブにも行けるよう、心から応援しています。


Y.Kさんが、日々の中で「がんばろう」と思える瞬間や、励みになっていることはありますか?


Y.Kさん
Y.Kさん

人のやさしさにふれたときには、ふっと心があたたかくなります。

以前、家の近くのスーパーでのことなのですが、会計を終えて買ったものを袋に入れていたとき、20代後半くらいの男性の方が、「何かおれにできることあるか?」って声をかけてくれたんです。

きっと私の姿勢を見て、しんどそうだと感じてくださったのだと思います。見知らぬ方からの一言でしたが、そのやさしさがすっと心にしみて、とてもあたたかい気持ちになりました。いまも忘れられない出来事です。

また、私よりもご高齢の方に気をかけていただくこともあって、「申し訳ないな」と思いながらも、そのお気持ちがうれしくて。やさしい方がいると思えるだけで、「また外に出てみようかな」と元気がでます。

そうした出会いが、日々の励みになっています。



これからを歩む方へ

かわむー
かわむー

最後に、現在リハビリに励まれている方や、パーキンソン病の悩みを抱える方へ向けて、メッセージがあればお願いいたします。


Y.Kさん
Y.Kさん

私自身、もっと早く受診していればと思うことがありました。

病院に行こうという気持ちはずっとあったのですが、日々の暮らしに追われる中で、つい後回しになってしまいました。

だからこそ、もし少しでも「おかしいな」と感じることがあれば、できるだけ早く病院で診てもらってほしいなと思います。

実際に診察を受けることで、リハビリという選択肢に出会えたり、専門の先生とつながるきっかけにもなります。いまはネットで調べればいろいろな情報が出てきますが、専門家に相談することで見えてくることはたくさんあるなと感じています。

西大和で教えていただいたストレッチや運動も、継続することで少しずつ変化を実感しています。私自身も、ここでのリハビリが一区切りとなったあとも、自分にできることを続けていきます。

すぐに大きく変わらなくても、少しずつでも積み重ねていくことが、きっとこれからにつながっていくのではないかと思います。それぞれのペースで大丈夫。無理のないかたちで、みなさんと一歩ずつ進んでいけたらうれしいです。


かわむー
かわむー

Y.Kさん、あたたかいメッセージをありがとうございました。

リハビリに取り組まれる姿勢はもちろん、「やってみたい」と思える気持ちが広がっていることなど、そのまっすぐな歩みにとても勇気をいただきました。

人のやさしさにふれたときのあたたかさや、ご家族との時間の中にある支え。その1つひとつを大切に受けとめておられる姿が印象的でした。

これからも、ご自身のペースで紡がれていく穏やかな時間が、ずっと続いていきますように。リハノワは、Y.Kさんの歩みを心から応援しております。

本日は、貴重なお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。



かわむー
かわむー



以上、今回は奈良県にある西大和リハビリテーション病院のパーキンソン病外来で、リハビリに取り組まれてきたY.Kさんをご紹介しました。

ひとりでも多くの方に、Y.Kさんの素敵な想いと魅力がお届けできれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後ともリハノワをよろしくお願いいたします!


かわむーでした。

この取材は、ご本人様・施設様から同意を得て行なっています。本投稿に使用されている写真の転載は固くお断りいたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

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※取材先や取材内容はリハノワ独自の基準で選定しています。リンク先の企業様と記事に直接の関わりはありません。

撮影=須崎綾音
取材・文=河村由実子(かわむー)

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