みなさんこんにちは、リハノワのかわむーです!
本日は、東京都東久留米市にある「マイスター靴工房KAJIYA 本社」さんをご紹介します。
マイスター靴工房KAJIYAは、ドイツ整形外科靴マイスターと義肢装具士の2つの資格を有する世界初の医療技術者のいる靴に特化した工房です。
本記事では、マイスター靴工房KAJIYA 本社の施設内や靴作りの様子、実際の製品や代表中井さんの声をご紹介したいと思います。
(神戸支店の記事はこちら)
マイスター靴工房KAJIYA
マイスター靴工房KAJIYAは、「ドイツ整形外科靴マイスター」と「義肢装具士」の2つの資格を有する世界初の医療技術者・中井要介さんが代表を務める靴工房です。1980に創業した先代の梶屋さんの梶屋製作所を引き継ぐ形で、2016年に埼玉県から東京都東久留米市に拠点を移し「株式会社マイスター靴工房KAJIYA」に組織変更。さらには、2019年には神戸支店もオープンしました。
「歩く喜びを、あなたに」
というVISIONのもと、日本では少ない整形外科靴に特化した工房を運営しています。足をサポートすることで健康で豊かな社会づくりに貢献すべく、総勢20名のメンバーが日々一生懸命ものづくりに励んでいます。
地域・年代・性別を超えた全ての人の足と靴への関心を高めるべく精力的に活動する彼らから、目が離せません。
代表・中井さんの声
代表でドイツ整形外科靴マイスターの中井さんにお話を伺いました。
■ 中井要介さん
株式会社マイスター靴工房KAJIYA 代表取締役
義肢装具士 / ドイツ整形外科靴マイスター
1980年北海道札幌市生まれ。幼い頃は整形外科靴のお世話になり足や靴を大切にする環境で育つ。高校卒業後は東京の義肢装具士養成校へ進学。2002年義肢装具士免許取得後、有限会社梶屋製作所に就職。2005年渡独、Orthopädieschuhtechnicker(整形外科靴職人)になるための職業訓練を開始。2009年職人(ゲゼレ)資格取得後、ベルリンの靴工房に勤務。2010年ドイツ整形外科靴マイスター資格取得。2014年帰国し、再び梶屋製作所に勤務。2016年株式会社マイスター靴工房KAJIYAに組織変更し、代表取締役に就任。現在は足や靴への関心を高めるため、多方面で精力的に活動中。
私は、幼少のころ靴型装具のお世話になったこともあり医療靴先進国であるドイツで2005年より9年間修業し、ドイツ国の職人最高職位であるドイツ整形外科靴マイスターを取得しました。
整形外科靴を履く子どもの多くは、思春期くらいから徐々に「デザインが悪いから履きたくない」など、装具に対する違和感を訴えるようになります。
そのため、私たちは「靴装具に対する心のバリアフリー」を実現したいと考えています。装具として機能的に良いのはもちろんデザインにもこだわり、その人の暮しに寄り添ったモノづくりをおこないます。
日本では、まだまだ整形外科靴の専門家が少ないのが現状です。整形外科靴を必要としている方々に充分に届けるため、2019年には神戸に支店をオープンしました。靴や足のケアを日常的に行う文化が日本に少しずつ広まるように、神戸支店には工房の横に店舗を併設。ふらっと入ってきやすく、靴の選択肢が増やせるような仕掛け作りをしました。
足に問題を抱えるすべての方の可能性を広げられるような靴を提供し、一人でも多くの方を笑顔にしたい。私たちは、足元から人々の生活を支えるべく、今日も奮闘しています。
先代の梶屋さんから受け継いだ靴への情熱・魂、そして靴の本場ドイツで学んだ本物の技術と文化が、日本中に広がってほしいと心から思いました。
製品のご紹介
実際にどのようなものづくりをされているのか、製品の一部をご紹介いただきました。
◆ 靴型装具
ドイツ整形外科靴技術に基づき製作されています。症状に合わせた機能とデザインの両立を実現しています。
◆ 足底装具(インソール)
ドイツ整形外科靴技術に基づき製作されています。症状に合わせて素材や形状を選択し、快適な歩行をサポートします。また、スポーツインソールの作成もしています。
製作方法には、足の立体的な型を取り足や動きの特徴、競技特性を反映したサポートや材料の選択を行い最適なインソールを製作するフルオーダーと、いくつかのパターンの中から適したインソールを選択し足に合わせて調整を行うセミオーダーがあります。
また、ドイツ製の足底圧計測器を使用した足底圧計測を行うことで動作中の重心移動・足底圧分布を読み取り、モニター画像と連動させることで様々な動作を分析します。インソール使用前後の比較もデータ化することにより、インソールの効果をより明確にすることができます。
◆ 下肢装具
股関節から足先までの下肢各部位に装着する装具です。立位・歩行に必要な脚の機能をサポートします。
◆ 脊柱側弯症用装具
軽量で成長対応も可能です。また、カラーバリエーションも豊富に取り揃えられています。
マイスター靴工房KAJIYAでは糖尿病をかかえる方に特化したモノづくりにも力を入れられています。
糖尿病をかかえる方は、血行や神経の障害、感染のしやすさ、キズの治りにくさから、足に潰瘍や変形などの病変(糖尿病足病変)がおこりやすい状態にあります。
本人が気付かない小さなキズやタコから菌が入ると、最悪の場合、足の切断にいたることもあります。靴型装具や足底装具を生活にとりいれて、足の健康を守ることが大切だと教えていただきました。
施設内ツアー
実際に、施設の中を見学させていただきました。
◆ 1階 作業場
1階では、型採りから足型の設計、インソールやチェックシューズの作成、パターン作りや革を縫い合わせるアッパーメイキングなどの作業が行われていました。スタッフのみなさんが一生懸命装具作りに励む姿はとてもかっこいいです。
◆ 2階 作業場
2階では、生地の選定や革を切ったり縫い合わせたりする作業が行われていました。たくさんの生地と靴製作用の特殊なミシンが完備されています。
ちなみに、義肢装具士さんの中でも靴型装具を専門にする人は2〜3%程度なのだそうです。
養成校でも靴のことはほとんど習う機会がないようで、多くの方は靴型装具の専門学校に通い技術を習得します。しかし、活躍の場となる靴専門の工房は数少ないため、年々、整形外科靴の作り手は減っているとのことです。
私も理学療法士として足に不自由を抱えた方にたくさん出会ってきたため、整形外科靴の重要性は痛いほどわかります。
日本における足・靴への関心が今よりもっと高まり、足を大切にする文化が広がってほしいと心から思いました。
これからも、マイスター靴工房KAJIYAさんのご活躍を心から応援しております。
取材に丁寧に対応してくださった代表の中井さん、梶屋さん、スタッフの皆さま、本当にありがとうございました。
会社概要
■ 株式会社マイスター靴工房KAJIYA
代表取締役 中井要介さん
■ 創業
1980年11月(工房所在地:埼玉県)
2016年 株式会社マイスター靴工房KAJIYAに組織変更、東京都東久留米市に移転
先代の梶屋さんから引き継ぐ形で、中井要介さんが代表取締役就任
2019年 神戸支店開店
■ ビジョン
「歩く喜びを、あなたに」
■ 経営理念:
・社会:全ての人の足と靴への関心を高め、健康で豊かな社会づくりに貢献する
・文化:健康を意識し、履きたいをカタチにしたサービスをライフステージを通して提案し続ける
・経済:地域、年代、性別を超えて足の健康と靴に関するバリュークリエーターとなる
■メンバー
・東京本社:17名
・神戸支店:3名
(義肢装具士・職人 割合:5対5)
■ 所在地・問い合わせ
株式会社 マイスター靴工房KAJIYA 東京本社
〒203-0044 東京都東久留米市柳窪3-2-37 MAP
TEL 042-479-4141
FAX 042-479-4550
E-MAIL gishi-sougu@kutsu-kajiya.com
株式会社 マイスター靴工房KAJIYA 神戸支店
〒657-0832 神戸市灘区岸地通5-3-9 1F MAP
TEL 078-806-4192
FAX 078-891-5333
E-MAIL kajiya.kobe@kutsu-kajiya.com
■ 商品の購入:KAJIYA online shop
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<関連記事>
・神戸支店の紹介記事はこちら。
・代表でドイツ整形外科靴マイスターの中井さんのインタビュー記事はこちら。
写真撮影:まっさん(カメラマン/理学療法士)
ぜひ合わせてご覧ください。
以上、本日は東京都東久留米市にある「マイスター靴工房KAJIYA 本社」さんを紹介させていただきました。
一人でも多くの方に、マイスター靴工房KAJIYAさんの素敵な想いと魅力がお届けできれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともリハノワをよろしくお願いいたします!
かわむーでした。
この取材は、施設から同意を得て行なっています。本投稿に使用されている写真の転載は固くお断りいたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
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