みなさんこんにちは、リハノワ.comのかわむーです!
本日は、広島県にある西広島リハビリテーション病院さん協力のもと、故郷の島へ帰るために一生懸命リハビリに取り組まれている「ヤガちゃん」を取材してきたので、みなさんにご紹介したいと思います!
ヤガちゃんとリハビリ
くりっとした大きな瞳と長いまつ毛で、こちらを見てはニコッと優しく笑いかけてくれるのは瀬戸内の島出身のヤガちゃん。
そのやわらかい雰囲気と癒しのオーラで周りの人を和ませてくれます。
島で1人で暮らすヤガちゃんが、くも膜下出血の疑いで緊急入院となったのは約2ヶ月前。
島と本土を結ぶフェリーを降りる際に、手を貸してくれた人とともにバランスを崩し転倒。その日はなんとか帰ったものの、翌日、首の後ろ辺りに耐えられないほどの激痛が生じ、本土の大きな病院へ救急搬送されました。結果は、くも膜下出血の疑いがあるとのことで緊急入院。カーテンを閉め切った電気もない真っ暗な部屋で数日を過ごしました。幸いなことに重度の麻痺などの症状はなく、入院して3日目から積極的なリハビリが開始。首や肩の痛み、さらには元々あった腰や膝の痛みのためなかなか思うように動くことができず、リハビリ専門の病院に移りリハビリを続けることを決意。現在は、広島市佐伯区にある西広島リハビリテーション病院にて一生懸命リハビリに取り組まれています。
故郷の“島”に帰るために
ヤガちゃんの今現在の “リハビリの目標” はなんですか?
ヤガちゃん:
元気になって、“島に帰りたい” というのが一番ですね。
家の中は、おじいさんがいた時につけた手すりはあるし、段差もそんなになくていいんですが、とにかく広いんです。動けるようにならないと。
あと、帰るのには一番「船」が問題です。
なんとか島での生活ができるようになればいいんですがね。
頑張らにゃいけんです!
実際のリハビリ
はじめに運び込まれた病院では、安静期間や検査・治療などもたくさんあり、なかなか思うようにリハビリもできなかったのではないかと思いますが、リハビリ専門の病院に移った今は、どんなことをされているのですか?
ヤガちゃん:
まずは、左膝が痛いから運動前にホットパックで温めてもらっています。あとはストレッチをしたり。
運動は、歩行器を持って歩く練習や自転車漕ぎをしたりしています。
自転車漕ぎは、目の前の画面の絵を見ながらできるんです。ゴーカートみたいで、それがものすごく楽しいんです。障害物にぶつからないように上手にペダルを漕がないといけなくて、これがなかなか難しい。
座って10分間漕ぐんですが、楽しくて時間が経つのがあっという間ですね。リハビリの先生に、「(ヤガちゃんの) 笑った顔を初めて見ました!」って言われるくらい最初は夢中でしたね。大人がこれだけ喜ぶんだから、子ども達がゲームを楽しんでやる理由がわかりますね。
「理学療法」では、体を動かす練習を主にされているようですね。
無邪気にお話をされており、聞いている私まで楽しくなりました。
ぜひその自転車、私も漕いでみたいです…! (笑)
リハビリではもう一つ「作業療法」もされているそうですが、一体どんなことをしているのですか?
ヤガちゃん:
作業療法では、ビーズで “腕輪” や “チワワ” を作ったりしました。
今は、折り紙で “くす玉” を作っています。すごく楽しいですよ!
作業に集中すると、肩とか腰から上がとにかく凝って痛くなるので、先生が肩のリラクゼーションをしてくださって、これがまたすごい嬉しいです。
リハビリは、1日合計3〜4回 取り組まれているそうです。
時には理学療法が3回で、作業療法が1回のことも…!
動くのは大変ですよと言いながらも、毎日楽しみながらリハビリをされている様子がとてもよく伝わってきました。
部屋に飾ってあったビーズの腕輪とチワワを見せてもらいましたが、とっても綺麗に仕上がっていました!ヤガちゃん、とっても器用ですね!
食欲満点!リハビリの “原動力”
島に帰ることを目標に、日々、合計3時間にもわたるリハビリに一生懸命取り組まれているそうですが、その “原動力” とは一体なんなのですか?
ヤガちゃん:
そうですね、今は、ここに出る食事が元気の源になっています!
美味しいですよ。皆さんと食堂で揃って食事もできますしね。
ただ、テレビを見てるとアレ食べたいな〜とか、お饅頭食べたいな〜とかいう誘惑はあります。
家に帰ったら、握り寿司とかお刺身も食べたいですね〜。
食べるパワーがリハビリを乗り越える原動力になっているんですね!
動いた後のご飯は格別美味しいのでしょうね。
帰ったら美味しいお饅頭とお寿司・お刺身を食べるのを目標に、これからもリハビリ頑張ってくださいね!
自分のため、だから
リハビリに対してとても前向きですが、リハビリをしていて、“大変だな” とか “つらいな” と思うことはありませんか?
ヤガちゃん:
自分のためにしてもらうから、大変!ということは全くないですね。
自分が「なんとかして歩けるようになりたい」という想いだけでやっています。
リハビリはできるし、食事は出るし、上げ膳据え膳ですよ(笑)
いつもは一人暮らしで誰もおらんところで暮らしています。
歌は歌えどテレビぐらいで、大人数いるところで長いこと生活してなかったから、今は逆に楽しいですね。
素敵な方々に囲まれて
リハビリを頑張っていて、“嬉しい” と感じる瞬間はありますか?
ヤガちゃん:
ここのリハビリの先生方、スタッフの方々にすごく感動します。みんなよく見てくださるなぁ、と。
一番最初に感動したのは、ここの病院に移る前日に、院長先生が直々に挨拶に来られて、本当にびっくりしました。こんな入院する前日に会いにきてくださる病院なんて初めてだったから、あれが最初の感動でしたね。
当日も、前の病院に迎えにきてくださって、こちらに来てすぐの受け入れの体制もすごくよくしていただいたし、本当にすごいなっと感動しました。
リハビリの先生たちもびっくりするほど優しいです!
どのスタッフも、どの患者さんに接する時も同じ態度で優しくて、あれには本当に感動しました。
入院する前日から、ここの施設には感動させられっぱなしですね!
確かに、院長先生が自ら挨拶に来られるなんて本当にすごいですね。それだけで不安な気持ちが少なくなりますし、信頼ができますよね。
優しいスタッフの方々に支えられ、楽しくリハビリできているようですね。
そのほかに、嬉しかったことは何かありましたか?
ヤガちゃん:
入院中にお友達ができました。
その方は先日退院されたんですが、退院する時に私に会いに来てました。
目の不自由な方でしたけれど、とても心の綺麗な温かい方でした。
ほんの数日間しかなかったカーテン越しの生活でしたが、その方からはとても元気をもらっていて、“自分も甘えとっちゃいけんな、リハビリ頑張ろう!” と思えていました。
こうして励まし合えたことはとても心の支えになりましたね。
素敵な方と出会うことができて本当に良かったですね。
こうして患者さん同士も支え合い、励まし合いながらリハビリを頑張られているんだな、ととても温かい気持ちになりました。
同じようにリハビリをされている方へ
最後に、同じようにリハビリをされている方へ向けて、何かメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。
ヤガちゃん:
そうですね、“自分のために頑張るしかない” ですよね。
みんな、自分のために一生懸命頑張られていると思いますよ。
一緒に食事をする時に、周りのいろんな方を見ていますが、目に見えてよくなっていってるのがわかります。皆さんの良くなる姿を見て、自分も頑張らないとな、と思います。
先が見えないと、どうしても落ち込んだりなかなかモチベーションが上がらなったりすることはあると思うので、こうしてヤガちゃんが実際に良くなる人の姿をたくさん見ているということは、みなさんの元気や安心にもつながると思います!
同じように現在リハビリに取り組まれている方にとって、心に響く大きなエールになったのではないでしょうか。
これからも、持ち前の明るさと笑顔で、リハビリ頑張ってくださいね。
ヤガちゃん、本日は本当にありがとうございました!
以上、本日は、故郷の島へ帰るために 一生懸命リハビリに取り組まれている「ヤガちゃん」を紹介させていただきました。
一人でも多くの方のリハビリの励みや元気に繋がると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後ともリハノワ.comをよろしくお願いいたします!
かわむーでした。
※この取材は、本人の同意を得て行なっています。本投稿に使用されている写真の転載は固くお断りいたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
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